ゲームはおもしろいです。
なぜなら、ゲーム会社はたくさんの技術とお金をかけて、プレイする人がおもしろいと感じる仕組みを作り込んでいるからです。
私もファミコン時代からどっぷりハマりました。
Nintendo Swithやスマホゲームまで、気づけば自由時間はほぼゲームをしていた日もありました。
そんな経験からゲームの楽しさは十分わかります。
でも、今はほとんどゲームをやりません。
「ゲームをやめたい!でもやめられない!」と思っている方にとって、私がゲームをやめた経験が少しでも参考になればと思い、ゲームをやめるための方法をまとめました。
- ゲームにハマるしくみ
- ゲームをやめるために読書をすすめる理由
ゲームは害か?
私の立場は、ゲーム=害ではありません。
食べるもので例えると、ゲームは体に害のある毒ではなく、スイーツやお菓子のようなものです。
食べやすくて、甘みがはっきりわかりやすく、ついつい食べ過ぎてしまう。
そんなイメージです。
いきなり断ゲームしない
ゲーム機を手放す、スマホからアプリを削除する、といった強制的な方法は良くありません。
なぜなら、スイーツもたまには食べたいですよね。
お肉や野菜もバランスよく食べながら、スイーツを減らしていくのが大事です。
ゲーム以外にやりたいことは?
スイーツと言っても食べる量が少なくなればお腹が減ります。
代わりに何を食べるのがいいか?ということですが、これは人によって様々だとおもいます。
私の場合は、ズバリ読書でした。
今の私にとっては、読書は娯楽のメインディッシュです。
ゲームをやめるための、誰にでも効く特効薬はありません。
なぜなら、ゲームはおもしろさだけでなく、人の持つ欲求を満たすような特徴があるからです。
ゲームをやめるためには、なぜゲームがおもしろいと思うのか、なぜゲームをやりたくなるのか、その仕組みと影響を知っておく必要があります。
ゲーム脳にもつながるマクレランドの欲求理論
だれしも経験があると思いますが、何か目標を達成すると気持ちがいいものです。
モチベーションに関わる有名な理論に「マクレランドの欲求理論」というものがあります。
- 達成動機:一定の目標に対して、達成し成功しようと努力する欲求
- 権力動機:他者に対して影響力を与え、コントロールしたいという欲求
- 親和動機:友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求
これはもともと仕事における従業員の動機や欲求に着目した理論で、会社の研修などで聞いたことがあるかもしれません。
人が本来もっている欲求が、ゲームの中で刺激され満たされることで、ゲームにハマっていくと考えられます。
ハマりやすいゲームの特徴
アルコールなどの依存関連問題の予防に取り組むNPO法人アスクによると、「ハマりやすいゲームの特徴」として4つの特徴が挙げられています。
この4つの特徴について、さきほどの欲求との関連を考えてみましょう。
1 「ゲーム内コミュニティ」がある
- ゲーム内には所属する勢力やギルドをはじめ、さまざまなコミュニティがあります。
- ゲームをしながら他のプレイヤーとのチャットなどの会話をとおして、対人関係を構築していくことにより親和欲求を満たしてくれます
2「コレクション要素」がある
- レアなアイテムやキャラクターは単に所持するだけでなく、入手するためにゲームの世界や構造を解明することで達成欲求を満たしてくれます。
- ゲーム内での強さや他のプレイヤーへの優位性にもつながるため、権力欲求も満たすとも考えられます。
3 「人対人の対戦モード」がある
- 行動がパターン化しがちなコンピュータではなく、人を相手にすることでゲーム性が高まり、相手に勝つ(支配する)ことで権力欲求も満たしてくれます
4 「チームプレイ」ができる
- チーム内での役割分担や貢献をとおして親和欲求を、リーダーシップを発揮することで権力欲求を、チームとして勝利することにより達成欲求を満たしてくれます。
ゲームは疾病と認められるほど依存性が強い
上でみたように、人の動機や欲求とゲームの特徴が結びつくことで、ゲームはおもしろさだけでなく、依存性が強くなると考えられます。
2019年にはWHO(世界保健機関)が「ゲーム障害(Gaming disorder)」を国際疾病として正式に認定しています。
ゲームにハマることによる影響
ゲームにハマることによる影響について、いくつか例をあげておきます。
- ゲーム以外のことに使える自由な時間がへる。
- 視力低下や肩こりなど健康を害するおそれがある。
- ゲーム機やソフト、課金による経済的な負担が生じる。
- ゲームと比較して、ゲーム以外のことに興味がなくなっていく。
- ゲームをやっていなくてもゲームのことを考えてしまう。
- 仕事や学業、人間関係がおろそかになる。
- 子どもの前でゲームをやることにより、子どものゲームに対する肯定感を高めてしまう。
あなたも思い当たるフシはありましたか?
ゲームにハマる仕組みと影響が理解できたでしょうか?
ここで「ゲームをやめよう」と思う動機について考えてみましょう。
私の場合はまず、おもしろいと思っていたゲームが、実は欲求を効果的に刺激するように他人によって作られた罠のようなものであると再認識し、これに時間を費やすのはもったいない、もっと他にやるべきことがあるはずだ!と考えたことが、ゲームをやめるきっかけになりました。
上でも書きましたが、私はゲームをやめて読書をしました。
読書そのもののメリットを挙げればキリがありません。
ここではゲームにハマる仕組みとの比較において、なぜゲームの代わりに読書が良いのかを説明します。
読書による達成欲求
読書は、ながい歴史において人々の知識欲を満たしてきました。
名著と呼ばれる本には、長いあいだ読みつがれる理由があります。
鋭い認識や深い洞察により、幸せな人生をおくるための多くのヒントを与えてくれます。
とはいえ、本にも難易度があり、いきなり専門書に挑戦しても、理解どころか読み切ることすら難しいです。
やわらかいケーキしか食べてなかったのに、分厚い赤身のステーキを食べようとしても、かみちぎることができず、消化することもできません。
いろんな本を読んで自分の読解力が上がり、難解な本を味わえるようになったときに得られる達成感には、間違いなく時間をかける価値があることを歴史が証明しています。
長編小説アンナ・カレーニナを挫折せずに読むための方法まとめ読書による権力欲求
読書は教養を身につけることができます。
私も自覚がありますが、自分の教養に自信がない人ほど教養力でマウントをとりたい、という欲求になやまされます。
読書により単に知識を蓄えるだけなく、思考がひろがり深まることで教養が身についてくると、他人との優劣に意味がないことに気づきます。
そして、他人から教養のある人に見られたいという欲求から解放してくれるようになります。
教養といえばドストエフスキーの小説はおすすめです。
読書による親和欲求
人付き合いのヒントもまた、読書から得られることは多くあります。
自分の経験に頼った自己流だけだと行き詰まることもあるでしょう。
7つの習慣や嫌われる勇気のような自己啓発本は、実生活の人間関係において直接的に役立てることができます。
また、小説(文学)は、言語で感情を最も正確に表現した作品です。
たとえば、ドストエフスキーのように強烈で極度の苦悩を描いた物語を読むことで、人間関係で傷ついた自分の感情を理解し、苦しみを包み込む薬にもなります。
ゲームで満たされる欲求は読書でも満たすことができる
ゲームにハマる仕組みで説明した3つの欲求は、読書によっても十分満たすことができるとおもいます。
通勤電車や夜寝る前など、今までゲームをやっていたシーンを少しでも読書におきかえてみてください。
読書のおもしろさが実感できれば、ゲームにハマるのと同じように、きっと読書にもハマることができるでしょう。
ゲームに時間を費やして後悔した人はいますが、読書に時間を費やして後悔した人には出会ったことがありません。
ゲームをやっていた時間が全て無駄だったとは思いませんが、昔の自分に言いたいです。
ゲームをやめて本を読め!
本は書店や図書館で簡単に手に入ります。
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