【カラマーゾフの兄弟】第2部各章の人物相関図とあらすじ

この記事では、ドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」の第2部のあらすじを、章ごとに人物相関図を使って解説しています。

「カラマーゾフの兄弟」の登場人物の基本的な関係については、まずはこちらの記事をご覧ください。

【カラマーゾフの兄弟】人物相関図であらすじを理解する

第1部の人物相関図とあらすじをまとめた記事はこちら。

【カラマーゾフの兄弟】第1部各章の人物相関図とあらすじ

第4編 錯乱

第1章「フェラポント神父」の人物相関図とあらすじ

ゾシマ長老は、最愛の弟子であるアリョーシャに祝福と助言を与え、最期の言葉を約束する。

ゾシマ長老の敵対者であるフェラポント神父も紹介されている。彼は厳格な禁欲主義者で、悪魔や霊が見えるという「神がかり」である。フェラポント神父を訪ねたオブドールスクの修道僧は、ゾシマ長老よりフェラポント神父に傾倒していく。

家族との約束を果たすために修道院を出るアリョーシャに、パイーシー神父が諭すように語りかける。

第2章「父の家で」の人物相関図とあらすじ

アリョーシャは父フョードルに会いに行く。

フョードルは、年老いた自分がグルーシェニカを振り向かせるには金が必要だと考えている。

また、イワンがドミートリーからカテリーナを奪おうとしていること、そのためにドミートリーをグルーシェニカと結婚させようとしていること、それを邪魔されないためにグルーシェニカがフョードルに近づかないように見張っていることをアリョーシャに話す。

第3章「小学生たちと知り合った」の人物相関図とあらすじ

父フョードルの家をでて、ホフラコーワ夫人の家に向かうアリョーシャが男の子たちと出会う場面。

アリョーシャは、1人の少年(イリューシャ)とスムーロフら6人の少年が石を投げ合っているのを見て、彼らに話しかける。その1人の少年は、理由も言わずアリョーシャにも石を投げ、さらに左手の中指にも噛みつく。アリョーシャは、その男の子を探し出して、この行動の謎を解き明かそうと決心する。

第4章「ホフラコーワ家で」の人物相関図とあらすじ

アリョーシャはホフラコーワ夫人の家を訪れる。

ホフラコーワ夫人はアリョーシャを出迎え、ゾシマ長老やカテリーナのことなどを話す。アリョーシャは指をケガしたことを告げ、リーズは手当をしながら、手紙を返すようアリョーシャにせまる。

ホフラコーワ夫人はアリョーシャをカテリーナのところへ案内し、カテリーナが本当に愛しているのはイワンなのに、ドミートリーを愛していると思い込もうとしているという。

第5章「客間での錯乱」の人物相関図とあらすじ

ホフラコーワ夫人の客間でカテリーナが、イワンとアリョーシャ、ホフラコーワ夫人を相手に、カテリーナとの出来事についてはなしはじめる。

カテリーナは、ドミートリーが自分を裏切ろうとも、義務的に忠誠を尽くすことを決心したと話す。

アリョーシャは、カテリーナが一種の錯乱でドミートリーを愛しており、それがイワンを苦しめていると話す。

イワンは、もうすぐモスクワに発つと告げ、自分はカテリーナを愛していたが、カテリーナが愛しているのはカテリーナを辱めるドミートリーだと話す。

イワンが出て行ったあと、カテリーナはアリョーシャにスネギリョフへ200ルーブルを渡すようたのむ。

第6章「小屋での錯乱」の人物相関図とあらすじ

アリョーシャは、カテリーナの頼みごとにある興味を覚え、スネギリョフの家を訪ねる。

アリョーシャはイリューシャに指をかまれたことを話し、また、兄ドミートリーの謝罪を申し出る。

第7章「きれいな空気のなかでも」の人物相関図とあらすじ

スネリギョフは、彼の息子イリューシャが学校でいじめられていることを語る。

アリョーシャは、兄ドミートリーがスネリギョフを侮辱したことを謝罪し、カテリーナからの200ルーブルを受け取るよう申し出る。しかし、スネギリョフはそのお金を踏みつけ、自分の名誉を売らないと言って去っていく。

第5編 プロとコントラ

第1章「婚約」の人物相関図とあらすじ

アリョーシャはカテリーナに報告に行くが、衰弱して寝込んでいるとホフラコーワ夫人から聞かされる。

アリョーシャはリーズに、スネギリョフとのいきさつを説明する。さらに、修道院を去ること、そして結婚することを伝え、お互いに愛し合い将来一緒になることを約束する。しかし、アリョーシャは友人(ゾシマ長老)が死にかけていること、彼の兄弟たちが自らを破壊しようとしていることに悩む。

アリョーシャとリーズの会話を盗み聞きしていたホフラコーワ夫人は、二人の関係について動揺し、リーズの手紙を見せるよう、アリョーシャに迫る。

第2章「ギターを抱えたスメルジャコフ」の人物相関図とあらすじ

アリョーシャはなんとしても兄ドミートリーに会うため、フョードルの家のとなりにあるあずまやで待つことにする。網垣を超えてあずまやに忍び込んだアリョーシャは、ギターを弾き歌うスメルジャコフとマリアに気付かれてしまう。

スメルジャコフは、ドミートリーを探そうとしているアリョーシャに、イワンが話をするためにドミートリーを料理屋「都」に誘ったことを教える。

第3章「兄弟、親しくなる」の人物相関図とあらすじ

料理屋「都」にいたイワンはアリョーシャを迎え入れる。そこにドミートリーの姿はなく、アリョーシャを前にしたイワンは、満足気に話し始める。

惚れていたカテリーナのことに片がつき、翌日にもこの町を発とうとするイワンは、自分がどういう人間なのかをアリョーシャに語る。イワンは、神を受けれ入れることはできるが、神によって創られた世界は受け入れられないという。

第4章「反逆」の人物相関図とあらすじ

イワンはアリョーシャに、人間の苦しみ、特に子どもたちの苦しみについて紹介する。ブルガリアにいるトルコ人による残虐な事件やジュネーブで処刑されたリシャールの話にはじまり、ロシアにおける数々の幼児虐待、古代の将軍が母親の前で子どもを犬に食いちぎらせた話を熱っぽくはなす。

さらにイワンは、人類の平和と調和のために、子どもの無償の苦しみを必要とする世界なら受け入れないと言い、「大審問官」という物語を聞かせる。

第5章「大審問官」の人物相関図とあらすじ

イワンが創作した「大審問官」は、異端審問が盛んな16世紀のスペインのセヴィリアを舞台に、彼(イエス・キリストを指す)が人の姿で降臨する物語である。

「大審問官」を語り終えたイワンはアリョーシャに別れを告げて家路につき、アリョーシャは僧庵に向かう。

第6章「いまはまだひどく曖昧な」の人物相関図とあらすじ

イワンがアリョーシャと別れた後、父フョードルの家に帰る途中で、憂鬱に襲われる様子が描かれる。

彼はその原因を特定することができずに家に着くと、庭先のベンチに座っているスメルジャコフを見て、彼への憎しみの高まりが憂鬱を引き起こしたのだと自覚する。

スメルジャコフはイワンに、もうすぐ癲癇の発作が起きそうな予感がすること、グルーシェニカを待つフョードルとの間で秘密の合図があること、フョードルはグルーシェニカに3千ルーブルの入った封筒を用意していることを話し、さらにイワンにチェルマシニャーに行くことをうながす。

第7章「賢い人とはちょっと話すだけでも面白い」の人物相関図とあらすじ

父フョードルの家に戻ったイワンは、出迎えたフョードルを振り切るように二階の部屋へ行く。その夜、さまざまな欲求に苦しめられ、こっそり階段口へ出て階下のフョードルの物音に耳をそばだてる。

翌朝、イワンはフョードルにモスクワに出発することを告げる。フョードルはある取引のためにチェルマシニャーに行ってほしいと頼むが、イワンはあいまいな返事をする。

出発するイワンは、見送るスメルジャコフに「チェルマシニャーに行く」と口走る。

その後、イワンは列車に乗り、モスクワに向かう。一方、フョードルの家では、スメルジャコフが階段から転落し、けいれんを起こす。医者のゲルツェンシトゥーベが呼ばれ、命の危険があるとの診断が下される。

その夜、フョードルはグルーシェニカが来ることを確信して待つ。

第6編 ロシアの修道僧

第1章「ゾシマ長老とその客たち」の人物相関図とあらすじ

ゾシマ長老の庵室に入ったアリョーシャは、訪問者に囲まれ、静かで楽しい会話をしている長老の様子に驚く。ゾシマ長老の最後の法話を聴くために集まったのは、ヨシフ神父、パイーシー神父、ミハイル神父、アンフィーム神父の4人だった。

ゾシマ長老はアリョーシャに、なにか恐ろしい事態が起こるのを防ぐために上のお兄さん(ドミートリー)に会うよう伝える。そして、ゾシマ長老はアリョーシャを愛した理由、すなわち彼の顔と精神性に死んだ兄(マルケル)の生まれ変わりのような感覚を抱いていたことを告白する。

第2章「神に召された修道苦行司祭ゾシマ長老の一代記より」の人物相関図とあらすじ

この章では、ゾシマ長老の思い出が語られる。

8歳年上の兄マルケルが17歳で死んだときのこと、その後聖書から啓示を得たこと、ペテルブルグの陸軍幼年学校で8年間過ごし、残酷で馬鹿げた人間になってしまったこと、軍務につき、ある娘に恋をしたことで恋敵との決闘へ発展し、従卒だったアファナーシーを殴り、血を見ず決闘を終え、軍をやめて修道院に入ることを決めたことが語られる。

決闘を終えたあと、一人の紳士(ミハイル)が訪ねてきて、過去に殺人を犯したことを告白する。

第3章「ゾシマ長老の談話と説教より」の人物相関図とあらすじ

この章では、ゾシマ長老が、修道僧、愛、人間の罪、祈り、地獄などについて語ったことがまとめられている。

ゾシマ長老は、愛が人間を救うと信じており、人々に愛と慈悲を持って生きるように勧めている。彼はまた、人間が罪を犯すことがあっても、それを恐れずに愛することが重要であると語っている。

ゾシマ長老の死は、唐突に訪れすみやかに僧庵内、修道院全体に広がり、市内にも伝わった。

まとめ

この記事では、「カラマーゾフの兄弟」の第2部のあらすじを、章ごとに人物相関図を使って解説しました。

続きの第3部の人物相関図とあらすじをまとめた記事はこちら。

【カラマーゾフの兄弟】第3部各章の人物相関図とあらすじ

「カラマーゾフの兄弟」の登場人物の基本的な関係については、まずはこちらの記事をご覧ください。

【カラマーゾフの兄弟】人物相関図であらすじを理解する

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