機動戦士ガンダムの人物相関図とキャラクター関係の解説

機動戦士ガンダムは、単純なロボットアニメではありません。

ガンダムやザクなどのモビルスーツの戦いに注目しがちですが、ガンダムのおもしろさは人間ドラマにあります。複雑な人間関係の予備知識がない状態で観ると、ガンダムのおもしろさを理解できないまま終わってしまいます。

人間関係をてっとり早く理解するには、人物相関図が役に立ちます。

この記事では機動戦士ガンダムに登場するキャラクターの関係を人物相関図にまとめました。

ただし、人物同士の関係はひと言で表すことができません。

なぜなら、人物同士の関係やお互いの感情は、物語の進展に沿って変化していくからです。

そこで個々の主要な人物同士の関係を時系列に沿って整理しまとめました。

この記事を読めば、ガンダムのおもしろさを理解することができます。

ここから先はネタバレ要素を含みますので、見たくない方はページを離脱してください。

機動戦士ガンダムの人物相関図

機動戦士ガンダムの主な登場人物の関係をひとつの相関図にまとめました。クリックで拡大表示できます。

機動戦士ガンダム人物相関図
キャラクターの画像について

この記事におけるキャラクターの画像は『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』のスクリーンショットを使っています。ゲーム映像の利用は、バンダイナムコエンターテインメントゲーム実況ポリシーに準拠します。

なお、ダイクン、ジンバ・ラル、カムラン、ミハルの素材がなかったため、別のイラストで代用しています。

登場人物同士の関係の解説

アムロとシャアの関係

アムロ・レイ

シャア・アズナブル

アムロとシャアは、一言でいうとライバルです。因縁のように何度も戦いますが、戦いにのぞむ2人の認識には大きな違いがあります。

アムロは、赤いザクに乗っているのは「赤い彗星のシャア」だと聞かされているので、戦っている相手は赤いザクというよりシャアだと自覚しています。一方のシャアは、アムロとではなくあくまで連邦軍の新型モビルスーツであるガンダムと戦っているという認識です。

物語が進展していくにつれて、2人の認識がどう変わっていくのかに注目するとおもしろいです。

第2話で、アムロはシャアと初めて対決します。ここでは、赤い彗星という異名を恐れるアムロに対し、地球連邦軍のV作戦の核心をつかもうとするシャアの冷静さがうかがえます。

(シャア)見せてもらおうか。連邦軍のモビルスーツの性能とやらを。

機動戦士ガンダム第2話より

この戦いで、ガンダムに乗るアムロは、リュウの乗るコアファイターの援護を受けて、シャアの赤いザクを退けます。

第3話で、ガデムのパプワ補給艦から補給を受けていたムサイをガンダムが強襲する場面で、2回目の対決となります。

(シャア)フフッ、モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを、教えてやる。

機動戦士ガンダム第3話より

シャアは赤ザクの機動性を生かして、戦闘を優位に展開しますが、ガンダムに決定打を与えることができません。

(シャア)ええい、連邦軍のモビルスーツは化け物か。これだけの攻撃でも・・・。

機動戦士ガンダム第3話より

第4話で、アムロは赤いザクでルナツーを強襲してきたシャアと3回目の対決となります。

この時もシャアは撤退しますが、アムロは戦いのあとのコックピットで、シャアのことを考える余裕が出てきます。

(アムロ)シャア・・・、一体どんな男なんだ。

機動戦士ガンダム第4話より

4回目の対決は第5話で、地球降下しようとするホワイトベースにシャアが戦いを仕掛けます。

ここで初めて、シャアはガンダムのパイロットへ意識が向かいます。

(シャア)ええい。腕が上がってきたようだな、このパイロットは。

機動戦士ガンダム第5話より

5回目の対決は第7話です。

コアファイターで弾道起動に乗せて射出されたアムロを、シャアはドレンとともにコムサイで追撃します。

コムサイに誰が乗っているか知りうる術はありませんが、なぜかアムロは、コムサイ相手に「シャア」と叫んでいます。

(アムロ)そこまでだ、シャア!

機動戦士ガンダム第7話より

このあと、アムロはガンダムに乗り換え、シャアは赤いザクで出撃し、自由落下の中で対決します。

6回目の対決は第10話です。

ガウの追撃をふり切るため、ガンダムはホワイトベースのおとりとなり、シャアのザク部隊と交戦します。

(アムロ)シ、シャアだ。あれに当たるわけにはいかない。

(シャア)モビルスーツめ、やるようになった。

機動戦士ガンダム第10話より

第26話で、シャアは再び登場します。相変わらず、シャアにとっては、ガンダムというモビルスーツをターゲットにしていることが分かるセリフです。

(シャア)私は、これだけは私の手で倒したいと思ってるくらいなのだ。

(ブーン)は?

(シャア)子どもじみているだろ?フフフッ。そう、私のプライドを傷つけたモビルスーツだからな。

機動戦士ガンダム第26話より

7回目の対決は第29話です。アムロは、赤いズゴックに乗ってジャブローに侵入したシャアと相まみえます。ジムを撃破する素早い動きを見て、パイロットがシャアであることを確信します。

(アムロ)赤い色のモビルスーツ?ザクじゃないけど・・・。赤い色のモビルスーツ。シャアじゃないのか?

(アムロ)ま・・・間違いない。やつだ。やつが来たんだ。間違いない、あれは、シャアだ。

機動戦士ガンダム第29話より

ガンダムとズゴックの間で通信しているわけではありませんが、久々の対決においても、2人は別々の反応をしていることが分かります。つまり、アムロは相手を「シャア」だと捉え、シャアは相手を「ガンダム」だと捉えています。

(アムロ)シャアか?

(シャア)さらにできるようになったな、ガンダム。

機動戦士ガンダム第29話より

続いて、第30話で8回目の対決を迎えます。

ゲリラ戦術が失敗し撤退しようとするシャアを、ガンダムのアムロが追撃します。アムロはアッガイ4機を撃破しますが、シャアには逃げられてしまいます。

(アムロ)シャア!

機動戦士ガンダム第30話より

第34話で、アムロとシャアは初めて顔をあわせます。

アムロは、父テムのところからホワイトベースに戻る途中、バギーがぬかるみにはまり、立ち往生します。そこに、ララァが運転するバギーに乗ったシャアが通りかかります。この時、アムロは目の前の人物が赤いモビルスーツのパイロットだと認識しますが、シャアの方はアムロがガンダムのパイロットだとは気付かないままです。

(アムロ)(シャア!)

(シャア)すまんな、君。何ぶんにも運転手が未熟なものでね。

(アムロ)い・・・いえ。

(ララァ)ごめんなさい、避けられると思ったんだけど。

(アムロ)あ。

(シャア)車で引かないと無理だな。

(アムロ)えっ?

(シャア)君は?

(アムロ)ア・・・アムロ、アムロ・レイです。

(シャア)アムロ?不思議と知っているような名前だな。

(アムロ)(そ・・・そう、知ってる。僕はあなたを知ってる。)お・・・お手伝いします。

(シャア)構わんよ、済んだ。

(アムロ)すいません。あっ、あの・・・お名前は?

(シャア)シャア・アズナブル。ご覧のとおり、軍人だ。

機動戦士ガンダム第34話より

第37話で、9回目の対決となります。マ・クベのギャンによりテキサスコロニーに誘い込まれたガンダムの戦闘に、新型モビルスーツであるゲルググのテストを兼ねて侵入してきたシャアが介入します。しかし、マ・クベに拒絶されたシャアは、戦いから手を引きます。

(アムロ)赤いモビルスーツ?シャアなのか?

機動戦士ガンダム第37話より

第38話で、ゲルググに乗ったシャアは、ギャンを倒したガンダムと10回目の対決に突入します。

この戦闘において、「ニュータイプ」という言葉が初めて登場します。また、シャアにとって、初めてガンダムの「パイロット」に意識が向いた場面でもあります。

(シャア)厄介なことになりそうだ。ガンダムのパイロットもニュータイプだとはな。

機動戦士ガンダム第38話より

シャアとしては、ララァを念頭に置いたうえでの「ガンダムのパイロットも」という表現になっていると考えられます。

第40話で、11回目の対決となります。

アムロは、「ララ」という声の先に、シャアともう一つの気配を感じ取ります。

(アムロ)呼んでいる。な・・・なんだ?やってみるか。ハッ、シャアと・・・もう一つは何だ?

機動戦士ガンダム第40話より

ニュータイプとして覚醒し、マグネットコーティングにより強化されたガンダムの前に、シャアは成す術もなく撤退します。

この戦闘のあと、シャアはニュータイプ同士の戦いについて、懸念を感じています。

(シャア)(しかし、ララァの頭痛の原因がガンダムのパイロットと関係があるようなら・・・事は簡単に進まんな。)

機動戦士ガンダム第40話より

第41話で、ララァがアムロと思念の会話をしているときに、ゲルググに乗ったシャアが割って入ります。これが12回目の対決となります。

(アムロ)シャア!

(シャア)ララァを手放すわけにはゆかん。

機動戦士ガンダム第41話より

ガンダムがゲルググにとどめを刺そうとしたとき、ビームサーベルはゲルググを押しのけたエルメスを貫きます。

第42話で、シャアは自身の能力に不安を覚えつつ、サイコミュを搭載したジオングで出撃します。ジオングと会敵したアムロは、当初、パイロットを誤認しています。

(アムロ)シャア以上のニュータイプみたいだ。

機動戦士ガンダム第42話より

アムロは、ジオングとの戦いを避け、ア・バオア・クーへと向かい、シャアはガンダムを見失います。

ガンダムはア・バオア・クーに取りつきますが、直後にアムロとシャアはお互いの接近に気付きます。これが13回目の対決です。

(アムロ)シャアか、こちらを見つけたな。

(シャア)見えるぞ、私にも敵が見える。

機動戦士ガンダム第42話より

ガンダムとジオングの対決は、第43話まで続きます。ガンダムとジオングは相打ちとなり、モビルスーツから降りたアムロとシャアは、パイロットスーツで対峙することになります。

(アムロ)貴様がララァを戦いに引き込んだ。

(シャア)それが許せんというなら間違いだな、アムロ君。

(アムロ)な・・・何?

(シャア)戦争がなければ、ララァのニュータイプへの目覚めはなかった。

(アムロ)それは理屈だ。

(シャア)しかし、正しいものの見方だ。

機動戦士ガンダム第43話より

アムロとシャアは剣を交えますが、アムロの剣がシャアの額を突き、シャアの剣がアムロの右肩を貫いたとき、アムロはララァの声を聞きます。

(アムロ)い・・・今、ララァが言った。ニュータイプは、こ・・・殺し合う道具ではないって。

(シャア)戦場では強力な武器になる。やむをえんことだ。

(アムロ)貴様だって、ニュータイプだろうに。

機動戦士ガンダム第43話より

この後、爆発とセイラの介入により、最後の対決も勝敗がつかないまま終わりました。

アムロとララァの関係

アムロ・レイ

ララァ・スン

第34話で、ホワイトベースはサイド6のコロニーに入港します。アムロは、父テム・レイに会いに行く途中、雨宿りのために立ち寄った湖のほとりの小屋で白鳥を目撃し、そしてララァと出会います。この時は、お互いの名前も何もわかりませんでした。

(アムロ)ご・・・ごめん。べ・・・別に脅かすつもりじゃなかった。あ・・・あの鳥のこと、好きだったのかい?

(ララァ)美しいものが嫌いな人がいて?美しいものが嫌いな人がいるのかしら?それが年老いて死んでいくのを見るのは悲しいことじゃなくて?

機動戦士ガンダム第34話より

その後、アムロは道端で、ララァとシャアに助けられます。この時のやりとりで、アムロはララァの名前を知ることになります。

(アムロ)(初めて会った人だというのに、なぜシャアだって分かったんだ?それにあの子・・・ララァといったな。)

機動戦士ガンダム第34話より

第37話で、テキサスコロニーにおいてギャンを倒したアムロは、何かの気配を感じます。同様に、戦いを見ていたララァも何かを感じ、やがて2人はお互いを認識します。

(アムロ)誰だ?誰かが僕をみている。これは・・・シャアじゃない。

(ララァ)こ・・・これは・・・。ア・・・ム・・・ロ?

(アムロ)ラ・・・ラァ?

機動戦士ガンダム第37話より

第40話で、シャアのゲルググはガンダムに狙撃され、左腕を損傷します。シャアを救ったララァの思念がアムロに伝わりますが、同時にララァは頭がおさえつけられるような感覚に見舞われます。

(ララァの思念)悪い人だ。

(アムロ)何?

(ララァの思念)シャアをいじめる悪い人だ。

機動戦士ガンダム第40話より

第41話で、ガンダムとエルメスは戦場で再び接触します。

戦いの中、アムロとララァはテレパシーのようなやりとりが行われます。

ガンダムのビームサーベルがエルメスを貫いたとき、アムロとララァはニュータイプ同士、高い次元でお互いを理解するようになります。

(ララァ)人は変わっていくのね、私たちと同じように。

(アムロ)そ・・・そうだよ、ララァの言うとおりだ。

(ララァ)アムロは、本当に信じて?

(アムロ)し・・・信じるさ。き・・・君ともこうして、分かり合えたんだから。人はいつか、時間さえ支配することができるさ。

(ララァ)ああ、アムロ、時が見える。

機動戦士ガンダム第41話より

エルメスが爆発しララァを失ったアムロは、ガンダムのコックピットで独り哀しみます。

(アムロ)ラ・・・ララァ・・・。と・・・取り返しのつかないこと・・・。取り返しのつかないことをしてしまった。

機動戦士ガンダム第41話より

最終話のラストシーンで、アムロはララァに語りかけます。

(アムロ)ごめんよ、まだ僕には帰れるところがあるんだ。こんなうれしいことはない。分かってくれるよね?ララァにはいつでも会いに行けるから。

機動戦士ガンダム第43話より

物語の最後のセリフなのでいろいろな解釈ができます。

ひとつの解釈として、ガンダムとエルメスの戦闘中の会話がヒントになると考えられます。

(ララァ)なぜ?なぜなの?なぜ、あなたはこうも戦えるの?あなたには、守るべき人も、守るべきものもないというのに・・・。

(アムロ)守るべきものがない?

(ララァ)私には見える。あなたの中には、家族もふるさともないというのに。

(アムロ)だ・・・だから、どうだって言うんだ。

機動戦士ガンダム第41話より

ララァは、守るべきものを持たないアムロが強力な力を持っていることに疑問を感じています。言い換えると、ニュータイプの能力を持ってよいのは、ララァにとってのシャアのように守るべきものをもつ人だけ、ララァと考えています。

そして、家族もふるさとも失くしたアムロは、図星を突かれたように動揺しています。

アムロはただ、戦争を終わらせるためだけにニュータイプの能力を使って戦いますが、ア・バオア・クーにおけるシャアとの戦いで「ニュータイプは殺し合う道具ではない」というララァの声を聞きます。

アムロは、殺し合う道具でもなく、守るべきものがない自分はニュータイプとして生きる資格がないと考え、生きる目的を失いかけます。ガンダムのコアブロックで再度ララァの声を聞いたアムロは、ホワイトベースの仲間という守るべきものがあることに気付きます。

最後のセリフは、自分にも「守るべきもの=帰るところ」があることを気付かさせてくれたララァに感謝し、いつかララァに会えるときまで、ニュータイプとして生き続ける決意を報告したのだと思います。

アムロとセイラの関係

アムロ・レイ

セイラ・マス

アムロとセイラは、ホワイトベースに乗る前に面識はありません。

ホワイトベースに乗った当初は、アムロはガンダム、セイラは通信士として関わっていきます。

(アムロ)戦ってる最中に気をつけられると思うんですか?

(セリフ)あなたならできるわ。

(アムロ)おだてないでください。

機動戦士ガンダム第5話より

第6話で、ガンタンクで出撃したアムロは、ブライトからガンダムに乗り換えるよう頼まれますが、その際、アムロはセイラの操縦を進言します。

(アムロ)(1人のほうが戦いやすいか。)了解です。ガンタンクは、カイかセイラさんに操縦させてください。セイラさんならできるはずです。

機動戦士ガンダム第6話より

アムロは、セイラのことを評価しているような発言ですが、その後には結構辛辣な独り言を口にしています。

(セイラ)発進です。ザクが3機下りてきたわ、気をつけてね、アムロ。

(アムロ)はい。(女に作戦を聞くわけにはいかない。ブライトがはじめからはっきりしていりゃ・・・。)

機動戦士ガンダム第6話より

第24話で、セイラはパイロットとして出撃することになります。アムロと一緒にGアーマーに乗り、黒い三連星と対決します。操縦が不慣れなセイラに、アムロは励まします。

(セイラ)パーツのドッキング、できるかしら?

(アムロ)できますよ、セイラさんなら。セイラさん、いつも僕にそう言ってくれました。

(セイラ)お返しってことね、やってみるわ、アムロ。

機動戦士ガンダム第24話より

第40話で、ソロモンでマグネットコーティングを終えたガンダムの調子を確かめていたアムロのところに、セイラがやってきます。このとき、アムロに対して初めてニュータイプという言葉が投げかけられます。

(セイラ)アムロはニュータイプですもの。

(アムロ)フフッ。タイプからいったら古い人間らしいけど。

(セイラ)フフッ、そうね。おセンチで、ちっとも飛んでないのにね。アムロって。

(アムロ)あ・・・、そう正面きって言われると、いい気分のもんじゃありませんね。

機動戦士ガンダム第40話より

第41話で、アムロがララァと思念の会話しているとき、セイラにもニュータイプ的な感覚が走ります。

第43話で、兄キャスバルを別れたセイラは、生きる望みを失いかけます。そんなセイラに、アムロは思念で呼びかけます。

(アムロ)セ・・・セイラさん、た・・・立って、立つんだ。

(セイラ)アムロ?アムロなの?でも、ここはどこだか分からないのよ。

機動戦士ガンダム第43話より

アムロとブライトの関係

アムロ・レイ

ブライト・ノア

第2話で、シャアを退けてホワイトベースに帰艦したアムロは、ブリッジにおいて初めてブライトと対面します。

期待に反してブライトからの労いの言葉はなく、「甘ったれるな」とまで言われたアムロは、ブライトに対して憤りに近い感情を抱きます。

(アムロ)やれるとは言えない。け、けど、やるしかないんだ。僕にはあなたが・・・。

(ブライト)憎んでくれていいよ。ガンダムの整備をしておけ、人を使ってもいい。アムロ、君が中心になってな。

機動戦士ガンダム第2話より

第9話で、アムロはガンダムに乗って出撃することを拒絶します。そんなアムロを、ブライトは強くしかりつけます。

(ブライト)アムロ、貴様なぜ自分の任務を果たそうとしないんだ。

(アムロ)ブライトさんはなんで戦ってるんです?

(ブライト)うっ・・・今はそんな哲学など語っている暇はない。立てよおい。

(アムロ)やめてくださいよ。そんなにガンダムを動かしたいんなら、あなた自身がやればいいんですよ。

(ブライト)何?できればやっている。貴様に言われるまでもなくな。

(アムロ)僕だって、できるからやってるんじゃないんですよ。

(ブライトがアムロを平手打ちする)

(アムロ)ううっ、な・・・殴ったね。

(フラウ)ブライトさん。

(ブライト)殴ってなぜ悪いか?貴様はいい。そうしてわめいていれば気分も晴れるんだからな。

(アムロ)ぼ・・・僕がそんなに安っぽい人間ですか。

機動戦士ガンダム第9話より

このあと、ブライトがアムロをもう一度平手打ちします。

アムロはさらにふてくされますが、ブライトが捨て台詞気味にシャアを引き合いに出したことで、結果的にアムロに戦うための明確な目的意識が生まれます。

(アムロ)うっ・・・2度もぶった。親父にもぶたれたことないのに!

(ブライト)それが甘ったれなんだ。殴られもせずに一人前になったやつがどこにいるものか。

(アムロ)もうやらないからな。誰が二度とガンダムなんかに乗ってやるものか。

(フラウ)アムロ、いいかげんにしなさいよ。しっかりしてよ。情けないこと言わないで、アムロ。

(ブライト)俺はブリッジに行く。アムロ、今のままだったら貴様は虫ケラだ。それだけの才能があれば、貴様はシャアを越えられるやつだと思っていたが、残念だよ。

(アムロ)シャア?

機動戦士ガンダム第9話より

第17話で、ブライトとミライがガンダムからアムロをおろす会話をします。アムロがこれを聞いてしまい、ガンダムに乗ってホワイトベースから脱走します。

(ブライト)リュウにガンダムを任せてたほうがいいと思うな。

(ミライ)ブライトは決めたんでしょ?アムロをガンダムから降ろすって。

(ブライト)ああ、我々は一人の成長を待ってほどのんびりはしてられないんだからな。

機動戦士ガンダム第17話より

第19話で、グフを撃破したアムロはホワイトベースに戻りますが、無断でガンダムを持ち出したことで、独房に入れられます。アムロのうぬぼれと甘さに、ブライトが毅然と対応します。

(ブライト)どんな理由があろうとチームワークを乱した罪は罪だ。

(アムロ)一方的すぎます。僕だって好きでホワイトベースを降りたんじゃない。僕の言い分だって聞いてくれても・・・。

(ブライト)聞くわけにはいかんな。

機動戦士ガンダム第19話より

ブライトはミライに、アムロが脱走でいなくなったときに感じた不安を正直に吐露します。

ブライトは自分でも気づかないうちにアムロを頼っていたことに気付きます。

(ブライト)しかし、アムロだ。あいつがいなくなった時、感じた不安っていうのは、こりゃ絶大だ。一体何のだろうな。

機動戦士ガンダム第20話より

第34話で、コンスコンのリック・ドム隊を撃破していくアムロを見て、ブライトは困惑するようにつぶやきます。

(ブライト)何があったんだ?今日のアムロは勘がさえている。

機動戦士ガンダム第34話より

第43話で、ブライトはアムロの思念を聞きます。

(ブライト)アムロだ。「退艦命令を出さないと全滅する」。

機動戦士ガンダム第43話より

アムロとテム・レイの関係

アムロ・レイ

テム・レイ

第1話で、テム・レイはホワイトベースの私室にアムロの写真を置いており、アムロは父を頼って待機カプセルから出て行く行動などから、ごく平凡な親子関係にあったことがうかがえます。

その後、ガンダムを前にしてアムロは父に詰め寄りますが、ホワイトベースに行けという父の指示に従おうとします。

(アムロ)父さん、人間よりモビルスーツの方が大切なんですか?

(テム・レイ)早くホワイトベースへ逃げ込むんだ。

機動戦士ガンダム第2話より

第33話で、ホワイトベースが入港したサイド6のコロニーにおいて、アムロはテム・レイと再会します。

(テム・レイ)ジャンク屋という所は情報を集めるのに便利なのでな。ここに住み込みをさせてもらっている。こいつをガンダムの記憶回路に取りつけろ。ジオンのモビルスーツの回路を参考に開発した。

(アムロ)(こ・・・こんな古いものを。父さん、酸素欠乏症にかかって・・・。)

(テム・レイ)すごいぞ、ガンダムの戦闘力は数倍に跳ね上がる。持っていけ。そして、すぐ取りつけて試すんだ。

機動戦士ガンダム第33話より

アムロとマチルダの関係

アムロ・レイ

マチルダ・アジャン

第9話で、ホワイトベースの地球降下後に初めて補給物資を届けます。その際、マチルダはアムロに感謝のことばをかけます。アムロの活躍ぶりをエスパーと評したセリフは、物語におけるニュータイプ概念の出発点といえます。

また、アムロはマチルダの持つ大人の女性の魅力にひかれはじめます。

(マチルダ)あなたの戦いがなければ、私たちもやられていたわ。ありがとう、あなたはエスパーかもしれない。

機動戦士ガンダム第9話より

第14話では、マチルダの乗ったミデア輸送機がザクと交戦します。

マチルダを想うアムロは、ブライトに対しガンダム単機で救援に向かうことを進言します。

(ブライト)ミデアがジオンのパトロールに引っ掛かった。ホワイトベースは援護に向かう。

(アムロ)ブ、ブライトさん、ガンダム出ます。ホワイトベースは補給の整備がまだ十分じゃないんでしょ?

(ブライト)ん?そりゃそうだが・・・行くか?

(アムロ)はい、発進します。

機動戦士ガンダム第14話より

第23話で、マチルダはミデア輸送機でホワイトベースに向かう途中、グフの襲撃を受けます。

アムロは、マチルダ救援の任務に気合が入ります。

(アムロ)お前たちにマチルダさんも補給物資もやらせるか。

機動戦士ガンダム第23話より

第24話で、マチルダと記念撮影した写真を手にしたアムロは、無邪気に跳びはねて喜びを表します。

アムロ史上、一番喜んだ瞬間だと思われます。

(アムロ)ううっ、ヤッホー!

機動戦士ガンダム第24話より

ホワイトベースの修理作業の合間に、アムロはマチルダに補給部隊に入った理由をたずねます。

もともと機械いじりが好きだったアムロは、マチルダの答えに共感を覚えます。

(アムロ)マチルダさん。なぜ補給部隊に入ったんですか?

(マチルダ)そうね・・・。戦争という破壊のなかで、ただ1つ、物を作っていくことができるから・・・かしらね。

(アムロ)物を作る・・・。

(マチルダ)戦いは破壊だけでも、人間ってそれだけでは生きていられないと、私には思えたからよ。

機動戦士ガンダム第24話より

アムロとフラウ・ボゥの関係

アムロ・レイ

フラウ・ボゥ

第1話で、サイド7に避難命令が出た後、フラウがアムロの家に行きます。着替えもせず食事もとっていないアムロに対し、好意を寄せつつ、甲斐甲斐しく世話する様子が描かれています。また、フラウが連れているハロは、アムロが作ったものです。

普段はフラウの尻に敷かれているようですが、爆発で母と祖父を亡くしたフラウに対するセリフに、アムロの頼もしい一面がうかがえます。

(アムロ)しっかりしろ、君は強い女の子じゃないか。

機動戦士ガンダム第1話より

第9話で、ガンダムに乗らないと言い出したアムロをブライトが叱責し鼓舞しますが、その後、フラウもフラウなりに覚悟を見せて、アムロがガンダムに乗ることを後押しします。

(フラウ)アムロ、ガンダムに操縦方法の手引書ってあるんでしょ?

(アムロ)えっ?

(フラウ)私、ガンダムに乗るわ。自分のやったことに自信を持てない人なんて嫌いよ。今日までホワイトベースを守ってきたのは俺だって言えないアムロなんて男じゃない。私・・・。

(アムロ)フラウ・ボゥ、ガンダムの操縦は君には無理だよ。

(フラウ)アムロ。

(アムロ)悔しいけど・・・、僕は男なんだな。

機動戦士ガンダム第9話より

第18話で、フラウは脱走したアムロに、厳しい口調でせまります。

痛いところをつかれたアムロは、ガンダムに乗りこんで逃げようとします。

(フラウ)また逃げる気?本当はみんなに自分を認めてもらうだけの自信がないんでしょ?だから帰れないのね?

(アムロ)僕の気持ちがわかるもんか。

機動戦士ガンダム第18話より

第19話で、ソドンの町でアムロとともにランバ・ラル隊から解放されたあと、バギーの中で、フラウはアムロへの気持ちを素直な言葉で表現します。

(フラウ)さっきの女の人が見ていたから、私と手をつなぐのをやめたんでしょ?

(アムロ)違うよ。

(フラウ)ウソ。どんどん私から離れてっちゃうのね、アムロ。

機動戦士ガンダム第18話より

通信士をしていたセイラがパイロットになった後、フラウが通信士を務めるようになります。

(フラウ)アムロ、見えるわ。

(アムロ)戦いはどうなってるんだ?

(フラウ)え?ガンタンクが戻ったわ。キャタピラーをやられたって。それで、カイさんのガンキャノンが一人で危ないの。

(アムロ)よし、落ち着いて戦いの様子を教えてくれればいいんだ。頼むよ。

機動戦士ガンダム第25話より

第26話で、通信士に慣れてきたフラウに対し、アムロは冷静につっこみます。

(フラウ)アムロ、発進どうぞ。ドックは壊さないでね。

(アムロ)やだな、フラウ・ボゥ。セイラさんのしゃべり方に似てきた。

(フラウ)あらそう?ごめん。

機動戦士ガンダム第26話より

第37話で、フラウはサンマロの手伝いでアムロの検査をしながら、アムロとの距離が離れていく寂しさを伝えます。

(フラウ)アムロって怖いくらいたくましくなったのね。

(アムロ)えっ?

(フラウ)私なんかには届かなくなっちゃったのね。でも、いいのよ。弱虫のアムロなんてみたくもないし、みんなこうして大人になっていくんでしょう?

機動戦士ガンダム第37話より

第42話で、ア・バオア・クーの戦いに出撃する前、アムロはフラウにやさしく声をかけます。

(アムロ)フラウ・ボゥ、どんなことがあっても諦めちゃいけないよ。こんなことで死んじゃつまらないからね。

機動戦士ガンダム第42話より

第43話で、フラウはアムロの思念の声を聞きます。

(フラウ)アムロ?

(アムロ)僕の好きなフラウ。次の銃撃がやんだら、一気に走り抜けられるよ。

機動戦士ガンダム第43話より

アムロとハヤトの関係

アムロ・レイ

ハヤト・コバヤシ

サイド7の住宅街において、アムロの家とハヤトの家は道向かいの関係です。

第1話でのハヤトとフラウの会話から、ハヤトはアムロのことを良く思っていない心境がうかがえます。

(ハヤト)ア・・・アムロのおやじさんみたいな軍事技術者がここに来なけれりゃ、ぼくら・・・。

(フラウ)研究施設を造るんで立ち退きさせられたの、まだ恨んでんの?

(ハヤト)そ、そういうわけじゃないけど・・・。

機動戦士ガンダム第1話より

第6話で、アムロとハヤトはガンタンクに乗って出撃します。

(アムロ)ハヤト、いいな、分かるか?

(ハヤト)分かります、任せてよ。

機動戦士ガンダム第6話より

第35話で、ソロモン攻略中に被弾したハヤトは、ホワイトベースに戻り治療を受けます。見舞いに来たフラウにハヤトは、アムロに対するコンプレックスを吐露します。

(ハヤト)く・・・悔しいな、僕だけこんなんじゃ。セイラさんにも、カイさんにもかなわないなんて。情けないよ。

(フラウ)何言ってるの?ハヤト。立派よ、あなただって。

(ハヤト)やめてくれよ、慰めの言葉なんて。こ・・・こんな僕だってね、ホワイトベースに乗ってからこっち、アムロに勝ちたい勝ちたいと思ってても、このザマだ。

(フラウ)ハヤト・・・アムロは・・・違うわ、あの人は。私たちとは違うのよ。

機動戦士ガンダム第35話より

アムロとランバ・ラルの関係

アムロ・レイ

ランバ・ラル

アムロとランバ・ラルは敵同士の関係ですが、戦場以外でも関係が出てきます。

最初の接触は第12話で、ザンジバルで地球に降下したランバ・ラルがグフに出撃して、ガンダムと対決します。

アムロにとっては、ザク以外のモビルスーツとの初対決でした。

(ランバ)ザクとは違うのだよ、ザクとは!

(アムロ)こいつ、違うぞ。ザクなんかとは装甲もパワーも。

機動戦士ガンダム第12話より

ホワイトベースから脱走したアムロは、ソドンの町の食堂でランバ・ラル隊と遭遇します。

アムロはこのときはじめて敵の将校と会話を交わします。

(ランバ)いい目をしているな。フフフッ、それにしてもいい度胸だ。ますます気に入ったよ。ア、アムロとかいったな。

(アムロ)はい。

(ランバ)しかし、戦場で会ったらこうはいかんぞ。がんばれよ、アムロ君。

(アムロ)は・・・はい。ラ・・・ランバ・ラルさんも、ハモンさんも。ありがとうございました。

機動戦士ガンダム第19話より

その後、ガンダムに乗ったアムロはランバ・ラルのグフと対決します。

接近戦の末、両方のコックピットに亀裂が入り、お互いの姿を認識します。

(アムロ)あっ、やっぱり。

(ランバ)お・・・お前は、さっきの坊やか。ア・・・アムロとかいったな。

(アムロ)そうか、僕らを助けたのは、ホワイトベースを見つけるためだったのか。

(ランバ)まさかな、時代が変わったようだな。坊やみたいなのがパイロットとはな。

機動戦士ガンダム第19話より

ホワイトベースに戻ったアムロは独房に入れられます。

自分が一番うまくガンダムを扱えるという自負、それを理解してくれないブライトらへの苛立ち、そして、自分の力ではなくモビルスーツの性能のおかげで勝ったのだというランバ・ラルの言葉に、敵愾心を燃やします。

(アムロ)ぼくは、あの人に勝ちたい。

機動戦士ガンダム第19話より

シャアとセイラの関係

シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)

セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)

第2話で、サイド7に潜入したシャアは、避難に遅れた人を探していたセイラに発見されます。

生き別れて久しぶりの再会ということになりますが、ここで早くもお互いの存在に気付いています。

(シャア)し、しかし、アルテイシアにしては、つ、強すぎる。

(セイラ)兄さん・・・。

機動戦士ガンダム第2話より

第16話で、ホワイトベースに単機で迫る敵影を見たセイラは、敵と接触してシャアの正体を確かめるチャンスととらえ、独断でガンダムに乗って出撃します。

この戦闘で、ガンダムは損傷してしまいますが、ガンキャノンに乗ったアムロの活躍で、ホワイトベース隊はランバ・ラル隊のコズンを捕虜にします。

独房に入る前に、捕虜に食事を届ける役を買ってでたセイラは、コズンからシャアが生きていることを聞きだします。

(セイラ)兄さん、シャアは兄さんだわ。間違いない。無事でよかった。

機動戦士ガンダム第16話より

第30話で、ジャブローに潜入したシャアと、カツ・レツ・キッカを探すセイラが遭遇します。お互いに兄妹であることを確認します。

(シャア)ア・・・アルテイシア。

(セイラ)あっ。あっ。ああ・・・。ま・・・まさかジオン軍に入っているなんて。優しいキャスバル兄さんなら・・・。

(シャア)軍から身を引いてくれないか?アルテイシア。

機動戦士ガンダム第30話より

第31話で、出撃前のセイラは、Gブルのコックピットにおいて、キャスバルへの思いをつぶやきます。

(セイラ)もし、ザビ家に対してかたきを討つためなら、そんな生き方、私には認められない。

機動戦士ガンダム第31話より

一方のシャアも、ホワイトベースを追撃するザンジバルの艦橋で、アルテイシアへの感情を整理します。

(シャア)しかし、まさかとは思うが、民間人があのまま軍に入って木馬に乗り込むなぞ・・・。アルテイシア・・・アルテイシア。しかし、あの時のアルテイシアは軍服を着ていた。聡明で、戦争を人一倍嫌っていたはずのアルテイシアが・・・。フフフッ、再び宇宙戦艦に乗り込むなど、ありえんな。

機動戦士ガンダム第31話より

第39話で、ホワイトベースはテキサスコロニーに進入します。アムロをさがすためにバギーで捜索にでたセイラの前に、シャアが現れます。2人の会話は、ブライトによって通信傍受されていました。

セイラは当たり前のようにアムロの名前を出していますが、この時点まで、シャアにとってはアムロがガンダムのパイロットであることは知らなかったはずです。

(シャア)ザビ家を連邦が倒すだけでは、人類の真の平和は得られないと悟ったのだ。

(セイラ)なぜ?

(シャア)ニュータイプの発生だ。

(セイラ)アムロがニュータイプだから?

(ブライト)ニュータイプ?

(シャア)うん。そのニュータイプを敵にするのは面白くない。今後は手段を選べぬということだ。

機動戦士ガンダム第38話より

第41話で、Gファイターに乗るセイラは、シャアの思念に引き寄せられ、ガンダムとゲルググ・エルメスの戦いに介入します。

ゲルググのビーム・ナギナタがGアーマーに当たる寸前に、ララァの思念がシャアの動きを止めます。

(アムロ)セイラさんか?

(ララァ)大佐、いけない。

(シャア)アルテイシアか。

機動戦士ガンダム第41話より

第43話で、Gファイターでア・バオア・クーに着陸したセイラは、シャアの思念に追って内部に進入します。フェンシングで戦うアムロとシャアを止めようとします。

(セイラ)やめなさい、アムロ。やめなさい、兄さん。2人が戦うことなんてないのよ。戦争だからって2人が戦うことは。

機動戦士ガンダム第43話より

シャアとララァの関係

シャア・アズナブル

ララァ・スン

第34話で、シャアはララァの運転する車に乗って、アムロと出会います。

(シャア)どうしたんだ?あの少年。

(ララァ)大佐の名前を知ってるからでしょ。赤い彗星のシャアって。おびえていたんですよ、きっと。

機動戦士ガンダム第34話より

その後、シャアとララァは、ホワイトベース隊とコンスコン艦隊の戦いをTV中継で観戦します。

(ララァ)白いモビルスーツが勝つわ。

(シャア)ん?ガンダムは映っていないぞ。

(ララァ)分かるわ。そのために私のような女を大佐は拾ってくださったんでしょ?

(シャア)フフフ、ララァは賢いな。

機動戦士ガンダム第34話より

第37話で、シャアとララァの会話から、シャアのララァに対する期待の高さがうかがえます。

(ララァ)私にエルメスを操縦できるのでしょうか?

(シャア)怖いのか?

(ララァ)はい。

(シャア)それは慣れるしかないな。私がいつもついていてあげる。そうしたら、ララァはすぐに私以上のパイロットになれる。

(ララァ)私が?赤い彗星以上に?

(シャア)当たり前だ。そうでなければ、みなしごだったララァをフラナガン機関に預けたりはしない。サイド6では寂しい思いをさせてすまなかったな。

機動戦士ガンダム第37話より

第41話で、出撃前にシャアはララァにキスをします。先の戦いで、ゲルググとガンダムの力の差に不安を覚えたララァは、シャアにノーマルスーツを着ることを進言します。

(シャア)私もゲルググで出るが、今度は私がララァの命令に従う。

(ララァ)大佐。

(シャア)今はララァの方がすぐれている。(キスをする)

(ララァ)大佐・・・今日からノーマルスーツを着けて出撃なさってください。

機動戦士ガンダム第41話より

第42話で、戦闘中のララァとアムロが思念の会話をしているとき、シャアが割って入ります。

(シャア)ララァ!やつとのざれごとはやめろ!

機動戦士ガンダム第41話より

シャアは、アムロに引き寄せられようとするララァに言葉をかけ、引き戻します。

(シャア)ララァ、私はガンダムを討ちたい。私を導いてくれ。ララァ。

機動戦士ガンダム第41話より

シャアとガルマの関係

シャア・アズナブル

ガルマ・ザビ

シャアとガルマは、士官学校のときからの友人です。

少なくともガルマは友人だと思っていますが、シャアの方には別の魂胆が見え隠れします。

物語のなかで最初に接触するのは第5話で、コムサイで地球に降下したシャアがガルマと通信する場面です。

(ガルマ)よう、何だい?赤い彗星。

(シャア)その呼び名は返上しなくっちゃならんようだよ。ガルマ・ザビ大佐。

(ガルマ)ハハハッ、珍しく弱気じゃないか。

機動戦士ガンダム第5話より

ガウの中で相対したときは、ガルマだけでなくシャアの方にも親密さをうかがわせる会話が交わされます。

(ガルマ)よう、シャア。君らしくもないな。連邦軍の船1隻にてこずって。

(シャア)言うなよガルマ。いや、地球方面軍司令官ガルマ・ザビ大佐とお呼びすべきかな?

(ガルマ)士官学校時代と同じガルマでいい。

機動戦士ガンダム第6話より

しかしここでは、シャアがガルマをたきつけようとするしたたかな一面と、ガルマの姉に対するコンプレックスが垣間見えます。

(シャア)しかし、ジオン十字勲章ものであることは保証するよ。

(ガルマ)ありがとう、これで私を一人前にさせてくれて。姉に対しても私の男をあげさせようという心遣いかい?

(シャア)フフッ、ハハハッ。

(ガルマ)笑うなよ、兵が見ている。

機動戦士ガンダム第6話より

(シャア)ガルマはモビルスーツに乗ったか?

(ドレン)いいえ。

(シャア)(そうか、ガルマは乗らなかったか。彼がガンダムと戦って死ぬもよし、危ういところを私が出て救うもよしと思っていたがな。)

機動戦士ガンダム第6話より

ホワイトベースがジオン勢力圏外に脱出するのを阻止するため、シャアは赤ザクに乗って、ホワイトベースを探索します。

ガンダムをおとりにするホワイトベースの作戦を看破したシャアは、ガウのガルマに嘘の情報を伝え、ザビ家の復讐を果たそうとします。

シャアのザビ家への復讐の意図が明確に表れるのは、ここが初めてです。

(シャア)フフフ・・・ガルマ、聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい。

(ガルマ)何?不幸だと?

(シャア)そう、不幸だ。

(ガルマ)シャ・・・シャア、お前は・・・。

(シャア)君はいい友人であったが、君の父上がいけないのだよ。フフフッ・・・ハハハッ・・・。

(ガルマ)うう・・・シャア、謀ったなシャア!

機動戦士ガンダム第10話より

第12話で、ガルマの国葬が行われ、ギレンの演説が放送されます。

(ギレン)私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。なぜだ!

(シャア)坊やだからさ。

機動戦士ガンダム第12話より

第43話で、キシリアを撃ち抜く前に、シャアは敬礼とともにガルマに言葉を送ります。

(シャアの心の声)ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい。

機動戦士ガンダム第43話より

シャアとドズルの関係

シャア・アズナブル

ドズル・ザビ

物語の開始時点では、シャアはドズル旗下の宇宙攻撃部隊に所属しています。

第2話で、ドズルはシャアのことを高く評価している様子がうかがえます。

(ドズル)何!V作戦?

(シャア)はっ。モビルスーツの開発、それに伴う新造戦艦を同時にキャッチしたのであります。

(ドズル)ハハハッ、さすが赤い彗星のシャアだな。

機動戦士ガンダム第2話より

ガルマの死後、ドズルのシャアに対する姿勢は一変します。

ズムシティにおいて、ドズルはデギンに、ガルマの死の責任をシャアに取らせるべきだと進言します。

(ドズル)いや、それよりもシャアの処分だ。ガルマを守り切れなかったやつを処分すれば、それで国民への示しはつくわ!

機動戦士ガンダム第11話より

その後、シャアはキシリアの配下として戦線に復帰します。

シャアのことを快く思わないドズルの心境を、ナレーターが表現しています。

(ナレーター)ドズル中将は、姉のキシリアがシャアを使っていることに反感を持っていた。できることなら自ら木馬を討ち、シャアの無能さを証明してやりたかった。

機動戦士ガンダム第33話より

シャアとキシリアの関係

シャア・アズナブル

キシリア・ザビ

第12話のガルマの国葬において、キシリアはシャアの処置をたずねます。

ドズルが手放したことを確認すると、部下を呼び、耳打ちします。

(キシリア)例のシャアはどうしました?

(ギレン)ふるさとにでも帰ったんだろ?なっ、ドズル。

(キシリア)そう。

機動戦士ガンダム第12話より

バーでギレンの演説を聞いていたシャアのもとに、キシリアの親衛隊が接触します。

これ以降、シャアはドズルからキシリアの指揮下に移ります。

(兵士)それはわたしにおごらせてもらおう。いいかね?

(シャア)親衛隊の者だな?

(兵士)分かりますか?

(シャア)においだな。キシリアの手の者・・・。

(兵士)ハハハ、さすがですな、少佐。

機動戦士ガンダム第12話より

第33話で、シャアはコンスコンの艦から引き上げるとき、副官のマリガンに対して、キシリアあて暗号電文を打つよう指示します。

(シャア)マリガン、ザンジバルに着いたらキシリア少将に暗号電文を打て。

(マリガン)はっ。

(シャア)「パラロムズシャア」いいな?

(マリガン)それだけで?

(シャア)それ以上は聞くな、極秘事項だ。

機動戦士ガンダム第33話より

第40話で、シャアはララァとともにキシリアに謁見します。このとき、ララァは黄色のワンピースドレスでしたが、キシリアに見咎められます。

また、この会話で、シャアとキシリアのニュータイプ部隊に対する考え方に微妙なズレがうかがえます。シャアにとってララァというニュータイプあっての実戦部隊ですが、一方のキシリアは、「性能」「エルメスの働き」という言葉に表出されているように、ララァをエルメスの部品の一部と捉えています。

(キシリア)気に入らんな、その服は。

(シャア)は?

(キシリア)少尉のサイズを補給部へ回しておけ。

(シャア)補給部隊の連中は、服で戦争をするのではなかろうと・・・いつも・・・。

(キシリア)私の名前で督促させろ。目障りだ。で、どうなのだ、性能は?

(シャア)初陣で2隻のサラミスを沈めました。ララァとエルメスの組み合わせは絶大であります。

(キシリア)ほう、2隻も。それはすごいな。

(シャア)はい、ニュータイプの実戦部隊の実現、いよいよかと。

(キシリア)うむ・・・。見せてほしいものだな、エルメスの働きを。

機動戦士ガンダム第40話より

第41話で、キシリアはシャアに今後の作戦を説明しているところで、唐突に切り出します。

キシリアはシャアの狙いを正確に読み取ったうえで、当面は連邦軍打倒に尽くすよう指示します。

この会談では、キシリアがギレンのことを「ギレン総帥」ではなく、単に「ギレン」と呼び捨てにしている点から、キシリアがギレンを排除しようする野心をにおわせています。

(キシリア)・・・で、その前にひとつ聞いておきたいことがある。お前の「打倒ザビ家」の行動が変わったのはなぜだ?

(シャア)私の?

(キシリア)私は、4歳頃のキャスバル坊やと遊んであげたことがあるんだよ。お忘れか?

(シャア)キシリア様に呼ばれた時から、いつかこのような時が来るとは思っていましたが、いざとなると怖いものです。手の震えが止まりません。

(キシリア)私だってそうだ。お前の素性を知った時にはな。

(シャア)それを・・・また、なぜ?

(キシリア)ララァだ。お前がフラナガン機関にララァを送り込んでいたな。そのお前の先読みする能力を知って、徹底的に調べさせたわけだ。お前もララァによってニュータイプの存在を信じ、「打倒ザビ家」以上のことを考えだした。

(シャア)どうも。

(キシリア)ギレンは、ア・バオア・クーで指揮を執る。

(シャア)はい。

(キシリア)その後のことは、すべて連邦に勝ってからのこと。よろしいか?

(シャア)はっ。確かに。

機動戦士ガンダム第41話より

第43話で、ア・バオア・クーの指令所にジオング撃墜の報告が入りますが、キシリアは冷たく反応します。

(兵士)ジオング撃墜、識別信号解除。

(キシリア)赤い彗星も地に落ちたものだな。

機動戦士ガンダム第43話より

アムロとの戦いを終えて、シャアはセイラに一つの決意を伝えます。

(セイラ)兄さんはどうするのです?

(シャア)ザビ家の人間はやはり許せぬと分かった。そのケリはつける。

機動戦士ガンダム第43話より

この後、シャアは、ザンジバルでア・バオア・クーを脱出しようとするキシリアを撃ち抜きます。

シャアとギレンの関係

シャア・アズナブル

ギレン・ザビ

作品中において、シャアとギレンが直接会話しているシーンはなく、シャアがギレンのことについて語るシーンもありません。

一方、ギレンの方は、第42話でのキシリアとの会話の中で、シャアに言及しています。

キシリアと違い、ギレンはシャアの正体を知らないようです。

(ギレン)ガンダム1機にてこずるものだな。

(キシリア)ジオングを使います。

(ギレン)未完成品をか?

(キシリア)少しでもニュータイプと思える者をぶつける以外、ガンダムは倒せません。

(ギレン)また、シャアか・・・こだわりすぎるな。

機動戦士ガンダム第42話より

シャアとジンバ・ラルの関係

ジンバ・ラルは、シャア(キャスバル)とセイラ(アルテイシア)の父親であるジオン・ズム・ダイクンの側近で、ダイクンの死後に2人を養育した人物です。

第38話で、テキサスコロニーにおいてシャアがセイラと遭遇したとき、ザビ家への復讐のために行動してきたシャアの過去が明かされます。

(シャア)ジンバ・ラルの教えてくれたことは、本当のことかもしれんよ。あのじいやの口癖だったからな。

(回想ジンバ・ラル)お父様のジオン様が、なぜジオン共和国をおつくりになったのか、それはニュータイプとして再生する人類全体の未来を考えてのことでございました。ところが、急に病に倒れ、そのご臨終の際にお父上はデギン公をご指名になったのです。

(回想デギン)わ・・・私ごときを次期首相にと?

(回想ジンバ・ラル)私は、ジオン様のご気性をよく存じております。デギン公をご指名になったのは、ご自分の暗殺者がデギン公だと教えたかったのです。そうでなければ、お父上のお味方が次々と倒されたり、キャスバル様とアルテイシア様にウソの名前まで付けて、地球でお育てするようなことを、このじいはいたしません。

(シャア)ジオンに入国して、ハイスクールから士官学校へ進んだのも、ザビ家に近づきたかったからだ。

機動戦士ガンダム第38話より

セイラとブライトの関係

セイラ・マス

ブライト・ノア

第3話で、2人はエレベーターに乗り合わせます。

ホワイトベースにおいては、軍人であり指揮をとっているブライトの方が立場は上ですが、セイラの持つ経験値と人格に気後れしてしまう様子が描かれています。

これがあってか、ブライトがホワイトベース内で唯一、セイラだけ「さん」付けで呼び続けることになります。

(ブライト)サイド7に来る前はどこにいたんです?

(セイラ)答える必要あるのかしら?

(ブライト)あっ、別に。

(セイラ)地球です。

(ブライト)宇宙に出たの、初めてなんですよ。

(セイラ)エリートでらっしゃったのね。

(ブライト)皮肉ですか?

(セイラ)弱気は禁物でしょう、ブライトさん。

機動戦士ガンダム第3話より

少し補足しますと、ガンダムの世界設定において、地球に安定して住むことができるのは限られた人だけです。ガンダムUCでダイナーの老主人が「貧乏人だけが宇宙に棄てられた」と言ったように、宇宙移民は棄民政策でもありました。

セイラはアルテイシア・ソム・ダイクンであり、地球ではなくコロニーで生まれ育ちました。当然、スペースノイドが地球に住む人をどう見ているかを身に染みて知っています。

そんな背景をふまえると、すでに戦争が始まって6か月が経過している情勢下で、宇宙を経験していない地球連邦軍人たるブライトに対して、セイラの呆れと軽蔑の心境がうかがえます。

さてその後、シャアのムサイへの対処について話し合うことになりますが、ここでもセイラはブライトに対して侮蔑するような発言をします。

ちなみに、この時のホワイトベースの艦長はパオロですが、医務室で治療中です。

(ブライト)オペレーター、敵の接触と補給にどのくらいかかるもんかな?

(マーカー)武器だけでしたら10分もあれば。

(ブライト)25分か。

(セイラ)艦長さんに聞いてみたら?

(ブライト)そういう言い方、やめてほしいものだな。

機動戦士ガンダム第3話より

第38話で、テキサスコロニーにおいて、ブライトはセイラとシャアの会話を傍受していました。その後、シャアの乗ったザンジバルを追撃するホワイトベースは、ドッキングベイでセイラあてのトランクを回収します。

傍受していた会話とトランクの差出人がつながったブライトは、セイラの出自を知ることになります。

(ブライト)私には検閲する権利もあるが、教えてもらえんか。トランクの中身と差出人のことを。

(セイラ)トランクの中身は・・・、きっと金塊だと思います。

(ブライト)間違いないのだな?

(セイラ)恐らく。

(ブライト)差出人は?

(セイラ)シャア・アズナブル。赤い彗星です。

(ブライト)ハッ・・・そ・・・そんなバカな。

機動戦士ガンダム第38話より

第39話で、セイラとブライトはしっかり気持ちを切り替えて、戦いに臨みます。

(ブライト)セイラ、君を信じているが、戦いに私情は持ち込むなよ。

(セイラ)ブライトさん、私の今までの行動はウソではなくてよ。

(ブライト)指揮官として確認したまでだ。信じているよ。

機動戦士ガンダム第39話より

また、セイラはブライトを自室に呼び、事情を説明します。

なお、このあたりからブライトのセイラを「さん」づけしない呼び方が定着します。

(ブライト)セイラの選んだ道はつらいぞ。

(セイラ)承知しているつもりよ。

(ブライト)あ・・・分かった。以前と同じように君を扱うだけだ。

(セイラ)ありがとう、ブライトさん。

(ブライト)いや、君の強さには敬服するだけだよ。頭で考えるほど、楽なことではないと思うがな。まっ、当てにするぞ、セイラ。

機動戦士ガンダム第39話より

第43話で、ア・バオア・クーを脱出したランチの上で、ブライトはさりげなく「ジオンの忘れ形見」というワードを入れており、後ろにいるカイが不思議そうな顔しているシーンがあります。

(セイラ)じ・・・じゃあ、このランチにアムロはいないの?ブライト。

(ブライト)セイラやミライの方が聞こえるんじゃないのか?ジオンの忘れ形見のセイラのほうが・・・。

機動戦士ガンダム第43話より

セイラとカイの関係

セイラ・マス

カイ・シデン

第2話で、カイは怪我人を置いてひとりでエレベーターに乗ろうとしたため、セイラから平手打ちをくらい「軟弱者」と叱責されます。正義感の強いセイラにとって、利己主義的なカイのふるまいが許せなかったのでしょう。

また、会話の内容から、カイはセイラのことを以前から知っていたことがうかがえます。

(フラウ)あっ、もう他の人、いませんでした?

(カイ)し、知らねぇな。爆撃の跡をよけながらようやくたどり着いたんだい。の、乗るのかい?

(セイラがカイを平手打ち)

(カイ)うっ、お、お前。

(セイラ)それでも男ですか、軟弱者!

(カイ)な、何だってんだよ。

(セイラ)あなたみたいな人、サイド7に1人で残っているといいんです。

(カイ)お高くとまりやがって。あ、あんた、セイ、セイラとか言ったよな。

(セイラ)そんな不良みたいな口の利き方、おやめなさい!

機動戦士ガンダム第2話より

最悪の出会いでしたが、その程度のことでカイは落ち込みません。むしろ、ガンタンクで出撃するときには、持ち前のおちゃらけたノリで、逆にセイラを困らせます。

(セイラ)カイ・シデン、聞こえて?3秒で発進、よろしい?

(カイ)よろしくもよろしくないもないんだろ?いつでもいいよ。えーっと、セ・・・セイラさんね。

(セイラ)余計なことは言わないで。

機動戦士ガンダム第3話より

「軟弱者」を自虐的にネタにしようする場面もあります。

(カイ)よう、ホワイトベースから出たら、やつらの攻撃を覚悟しといたほうがいいぜ。

(アムロ)あなたは・・・あなたは一体何なんです?

(カイ)ムキになることはないだろう?忠告しただけなんだぜ。

(セイラ)カイさん。

(カイ)そう、俺は軟弱者だ。腹を立てるほどの人間じゃないのさ。

(アムロ)そうですか。カイさんは大人なんですね。だったら人を不愉快にさせないでください。

機動戦士ガンダム第7話より

第42話で、ア・バオア・クーの戦いの直前、エレベーターに乗り込んだアムロとセイラとカイが、アムロの発言についてやりとりします。

カイにはかつての軟弱者の面影はなく、厳しい戦いを前に成長した姿が描かれています。

(カイ)アムロ、さっきお前の言ったこと、ホントかよ。

(アムロ)ウソですよ。ニュータイプになって未来のことが分かれば、苦労しません。

(セイラ)アムロにああでも言ってもらわなければ、みんな逃げ出しているわ。怖くてね。

(カイ)そりゃ、そうだな。逆立ちしたって、人間は神様にはなれないからな。

機動戦士ガンダム第42話より

セイラとランバ・ラルの関係

セイラ・マス

ランバ・ラル

モビルスーツ戦力の尽きたランバ・ラル隊は、ホワイトベースに白兵戦を仕掛けます。

ホワイトベースの艦内でセイラとランバ・ラルは鉢合わせしますが、ランバ・ラルはセイラをひと目見てアルテイシアだと気づきます。

セイラは、ランバ・ラルの言葉に父ジオン・ダイクンの記録がよみがえります。

(ランバ)ひ・・・姫?ひ・・・姫様か?

(セイラ)あ・・・。

(ランバ)ま・・・間違いない。アルテイシア様に違いないな。私をお忘れか?あなたの父上ジオン・ダイクン様にお仕えしたジンバ・ラルの息子、ランバ・ラルですぞ。

(セイラ)アルテイシアと知って、なぜ銃を向けるか?

(ランバ)はっ、やはり。で・・・では、なぜ?

機動戦士ガンダム第20話より

ブライトとミライの関係

ブライト・ノア

ミライ・ヤシマ

ブライトはミライに対し、軍人として、そして男として、頼りがいのあるところ見せようします。

(ミライ)ゲートセンサー360度、オールラジャー。

(ブライト)肩に力が入りすぎのようだな。大丈夫、コンピュータがやってくれますよ。

(ミライ)ええ。

機動戦士ガンダム第5話より

しかし、戦闘になるとイライラしてしまい、ミライに何度もたしなめられます。

(ブライト)カイ、ハヤト!ガンタンクはどうした?砲撃を!砲撃を!

(ミライ)ブライトさん、落ち着いてください。ガンタンクは今、ホワイトベースから出るところなんです。

機動戦士ガンダム第3話より

(ブライト)後方AMミサイルどうした?撃てないのか?

(ミライ)ブライト、落ち着いて。みんな慣れてないのよ。

機動戦士ガンダム第5話より

第22話で、ブライトはリュウを失ったショックと過労で倒れます。

(ミライ)ブライト、何か?

(ブライト)うん、君に僕の代理をやってもらいたいんでね。その引き継ぎだ。

(ミライ)指揮官のいない船なんてひどいものだけど、私には無理よ。

(ブライト)無理はみんな同じだ。僕など自分の意気地のなさが病気の原因かと思うと、情けなくなってくる。

(ミライ)そんな・・・。

(ブライト)ここに艦長指揮のABCを書いといた。これを見れば・・・。

(ミライ)でも、それだけでは・・・。

(ブライト)君ならできるよ。

(ミライ)ブライト。

(ブライト)やってくれるね?

機動戦士ガンダム第23話より

第36話で、ソロモン攻略中の中、ブライトは個人通話でミライに声を掛けます。

(ブライト)ミライ少尉。戦闘中の個人通話は厳禁だが、水くさいぞ、ミライ。君のことを見守るぐらいのことは、この僕にだってできるつもりだ。

(ミライ)はっ、ブライト。

(ブライト)君の気持は分かっている。・・・が、僕はいつまでも待っているよ。

機動戦士ガンダム第36話より

第37話でも、ブライトはミライの体調を気遣う言葉をかけ、徐々に距離を縮めていきます。

(ブライト)ミライ、いいのか?

(ミライ)心配かけてごめんなさい。少し働いて、疲れたいわ。

(ブライト)無理はするな。俺でよかったら聞き役ぐらいはさせてくれ。

(ミライ)ああ、ありがとう。助かるわ、そう言ってくれると。

機動戦士ガンダム第37話より

ブライトとリュウの関係

ブライト・ノア

リュウ・ホセイ

ブライトとリュウは、民間人の多いホワイトベース隊において数少ない正規の軍人で、お互いが頼りにしている存在です。

リュウを失ったあと、ブライトはショットと疲労で寝込んでしまい、意識がもうろうをする中、ブライトはリュウの存在の大きさを惜しみます。

(ブライト)ホ・・・ホントだな、リュウ。お前のやり方は利口じゃなかったかもしれんが、俺たちに模範を示してくれた。何をやったかで人間の値打ちは決まる。お前は強い。だからだよ、負けないと思うのだがな。リュウ!

機動戦士ガンダム第23話より

ミライとスレッガーの関係

ミライ・ヤシマ

スレッガー・ロウ

第33話で、カムランはミライに強引にせまりますが、スレッガーが間に割って入ります。このとき、スレッガーはミライのことを「ホワイトベースのおふくろさん」と表現しています。

(スレッガー)そういうことだ。何せミライ少尉は、ホワイトベースのおふくろさんなんだからな。

機動戦士ガンダム第33話より

第34話で、カムランの申し出を冷たく断ろうとするミライに、スレッガーは厳しく叱責します。

(スレッガー)バカ野郎!(平手打ち)

(ミライ)中尉。

(スレッガー)この人は本気なんだよ、分かる?そうでもなきゃ、こんなむりゃは言えるか。いくらここが中立のサイドだからといったところで、ミサイル1発飛んでくりゃ命はないんだ、分かる?

機動戦士ガンダム第34話より

第36話で、ソロモン攻略中に被弾したスレッガーはホワイトベースに戻ります。待機ボックスで食事をしているスレッガーのもとに、ミライがかけつけます。

(スレッガー)人間、若い時はいろんなことがあるけど、今の自分の気持ちをあんまり本気にしないほうがいい。

(ミライ)どういうことでしょうか?

(スレッガー)ん?ま・・・いいでしょう。

(ミライ)中尉。

(スレッガー)俺は、少尉の好意を受けられるような男じゃない。

(ミライ)スレッガー。

(スレッガー)俺にとっちゃ、少尉はまぶしすぎるんだ。世界が違うんだな。

(ミライ)でも。

(スレッガー)安ものなんだがね、おふくろの形見なんだ。宇宙でなくしたら大変だ。預かっといてくれよ。

機動戦士ガンダム第36話より

このあと、2人は口づけを交わします。

カイとハヤトの関係

カイ・シデン

ハヤト・コバヤシ

第3話で、カイとハヤトはホワイトベースの主砲の担当となります。やりとりの内容から、カイとハヤトは面識がなかったことがうかがえます。

(カイ)ええい、リュウのやつ、あれじゃこっちの主砲が撃てねぇじゃねえか。ハヤトって言ったな、伝えろ、リュウに”どけ”ってよ。

(ハヤト)あっ、はい。でもブリッジに連絡するのは・・・。

機動戦士ガンダム第3話より

カイとミハルの関係

第27話で、軍人になることを嫌いホワイトベースを降りたカイは、町でミハルと再会します。カイはミハルの家に行くと、ミハルが幼い弟や妹のためにスパイ活動をしていることを察知します。その上で、ホワイトベースの情報をリークするところに、カイのやさしさが表れています。

(カイ)ホワイトベースな、夜にはここ出るぜ。

(ミハル)え?

(カイ)右のエンジンが手間取ってるらしいんだ。あそこを狙われたらまた足止めだろうけどさ。

(ミハル)カイさん。

(カイ)弟や妹の面倒を見ているあんたの気持ちはよく分かるぜ。

機動戦士ガンダム第27話より

第28話で、カイはホワイトベースに潜入したミハルを自分の部屋に隠し、情報を教えます。

ミハルは、民間機で着艦したブーンにホワイトベースの情報を伝えることに成功します。ホワイトベースが襲撃され、カツ・レツ・キッカら子どもたちが巻き添えになっているのを見て、自責の念にとらわれ、カイとともにガンペリーで出撃します。

(ミハル)カイ、私にも戦わせて。弟たちが助かって、あの子たちが死んでいいなんてことないもん。このままだったら、また、ジオンに利用されるだけの生活よ。それにもう、ただ見てるだけなんて、私たまんないよ。

機動戦士ガンダム第28話より

カイは、密航者であったミハルの死を誰とも分かち合うことできず、一人孤独に悲しみます。

(カイの中のミハル)あんたに会えてよかったと思うよ。ジルとミリーかい?アハハハッ、あの子たちなら大丈夫さ。私たちよりずっとうまくやっていけるって。いつまでもこんな世の中じゃないんだろ?ねっ?カイ?

機動戦士ガンダム第28話より

軸の定まらないカイでしたが、このミハルの死がカイの人格と行動に大きな影響を与えることになります。

(カイ)ミハル、俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな子を増やさせないために。ジオンをたたく、徹底的にな。

機動戦士ガンダム第29話より

レビルとホワイトベース隊の関係

レビルは、地球連邦軍の首脳部の中でも数少ない、ホワイトベースのことを気にかけているうちの一人です。

(ブライト)しかし、マチルダ少尉、分かりません。なぜ、僕らも船も現状のままなんですか?

(マチルダ)さぁ。レビル将軍はホワイトベースが現状の戦闘を続けられるのなら、正規軍と同じだと言っていました。今は連邦軍だってガタガタなのですからね。私だって、レビル将軍の依頼でここまで来ただけです。参謀本部とは関係ありません。

(ブライト)で、次の補給は受けられるのですか?

(マチルダ)さぁ。このジオンの制空圏を脱出できれば何とか。ともかく、連邦軍にもあなた方を見捨ててはいない人がいることを忘れないでください。

機動戦士ガンダム第9話より

第23話で、エンジンが大破したホワイトベース隊は、レビルに救援を要請します。

レビルは、ホワイトベースをオデッサ作戦に参加させるため、マチルダに修理を指示します。ホワイトベースに対するレビルの期待の高さがうかがえます。

(レビル)なあ、マチルダ君。あとは君の隊がホワイトベースのエンジンを直せるかどうかにかかっているわけだ。

(マチルダ)はい、レビル将軍。たとえどれほどの傷であろうと。

(レビル)うん。それともう一つ、ホワイトベースに届けてほしい物がある。連中はまたモルモットにされるのかと怒るだろうがな。ガンダムのパワーアップのメカのテストを連中にやらせる。

(マチルダ)ガンダムの?

(レビル)これがその目録だ。

(マチルダ)はい。

(エルラン)レビル大将、部隊編成の決まっていない部隊になぜそんなにまで肩入れをなさるんです?

(レビル)正規軍をテスト台に使えるかね?それにこれは参謀本部の決定でもある。

機動戦士ガンダム第23話より

ゴップとホワイトベース隊の関係

ゴップは、地球連邦軍の参謀本部の所属で、ジャブロー基地にいます。

第29話で、ブライト、ミライと会談しますが、セリフからは官僚気質なふるまいがうかがえます。

(ゴップ)結論を言うと、ホワイトベース隊は今までどおり任務に就いてもらう。

(ブライト)はい。

(ゴップ)なお、ティアンム艦隊に配属されるが正式な通達は作戦前に行う。

(ブライト)はい、それでそれまで我々は?

(ゴップ)あてがわれた宿舎で休め。処罰はしない。ミライさん、それがあなたの父上への恩返しと思ってもらいたい。

(ミライ)父の?

(ゴップ)連邦も惜しい政治家をなくしたものだと、今でも残念におもっています。お父上がご健在なら、あなただってサイド7に移民など・・・。

(ミライ)やめてください、そのお話は。

機動戦士ガンダム第29話より

ゴップは、ジャブローに攻撃をしかけてきたジオン軍の戦力を冷静に見積もりながら、ホワイトベース隊の存在を疎ましく思っている様子がうかがえます。

(指令官)ホワイトベース、つけられましたな。

(ゴップ)ああ、永遠に厄介者かな、ホワイトベースは。

機動戦士ガンダム第29話より

ゴップたち参謀本部は、ジオンがその実力を高く評価するホワイトベースを、囮として利用することを決定します。

(ブライト)第13独立部隊というのは、囮専門ということなんですか?

機動戦士ガンダム第30話より

まとめ

この記事では、機動戦士ガンダムの人物相関図と、人物同士の関係を解説しました。

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