ガンダムって古くさいロボットアニメでしょ?
ガンダムを見たことがない人にとって、上司から「ガンダム知らないの?」なんて言われるのはストレスですよね。
でももし、あなたが「ガンダムオタクの上司とは分かり合えない」と判断しているなら、それは「若さゆえのあやまち」というものです。
社会人にとって、上司との円滑なコミュニケーションはさけては通れない課題のひとつです。
特に世代のちがう上司の場合、何の話題を選べばいいのか悩みますよね。
そんな時に上司の口から「ガンダム」という言葉が出てきたなら、それはピンチではなくチャンスなのです。
なぜなら、あなたがガンダムを観れば、上司との共通の話題を確実に手に入れることができるからです。
ガンダムは1979年に放映されてから、40年以上にわたって続いている国民的アニメです。
一度でもガンダムを観れば、上司、そして世のいい歳した大人がガンダムに夢中になる理由を理解できます。
観ようと思っても、ガンダムはシリーズが多くて何から観ればいいのかわからない?
大丈夫です。
この記事を読めば、急いで観るべき作品と、上司とのガンダム雑談を盛り上げるためのポイントが分かります。
一般的に上司という人種はせっかちです。
すぐに結果を求めます。
ですので、上司の口から「ガンダム」という言葉が出たら、なるべく短い時間で雑談に応えられるようにする必要があります。
私が提案するのは次の5つのステップです。
合計約7時間
2時間
全50話
全47話
2時間
STEP2の「逆襲のシャア」が終わった時点で、上司と最低限の会話ができるようになります。
ここまで7時間+2時間=9時間ですので、週末土日があれば十分視聴できますね。
一方、STEP3以降は少し時間がかかります。
ですので、上司との会話でガンダムの魅力を掘り下げながら、じっくり時間をかけて観ていけばOKです。
せっかく時間をかけて観るのですから、楽しんで観たいですよね。
私のように子どものころからガンダムを見てきた方であれば、「ガンダムつえー!」「シャアかっこいい!」だけでも十分楽しめます。
しかし、大人になってから初めてガンダムを観ようとすると、いかにも子供向けな演出や設定にうんざりしてしまうかもしれません。
また、初期の頃のガンダム作品と現在のアニメを比較すると、作画のクオリティの違いで観るのがキツイという声も少なくありません。
そのため、大人でもガンダムを楽しんで観るためのポイントをおさえておく必要があります。
二重構造を楽しむ
子どもも大人も楽しむことができる優れた作品というのは、テーマが「二重構造」になっています。
例えば、「天空の城ラピュタ」は少年向けの冒険活劇的な王道ストーリーのエンターテインメント作品です。
一方で、人間の欲望が生んだ文明と自然との調和、のように普遍的で抽象的なテーマを読み取ることができます。
どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ。
天空の城ラピュタ「シータのセリフ」より
正解がなくて、観る人それぞれに解釈が異なるからこそ、大人が観ても味わうことができる作品だというわけです。
このように、世代を問わず人気があるジブリアニメやディズニーアニメは、二重構造を意図的に組み込んでいるので、大人も楽しむことができるのです。
では、ガンダムの二重構造とは何でしょうか?
ガンダムの二重構造とは?
もちろん、RX-78NT1(アレックス)がチョバムアーマーで二重構造になっている、ということではありません(笑)
先にガンダムのわかりやすい魅力をいくつか挙げておきます。
- ガンダムやザクといったモビルスーツそのもののカッコよさ
- アムロのような主人公の成長
- シャアやブライトなど登場人物による数多くの名言
この視点だけでも、雑談どころかひと晩くらい語れそうです(笑)
では、ガンダムの抽象的で深いテーマとは何でしょうか?
それはずばり「人と人は分かり合えるか?」というテーマです。
人と人は分かり合えるか?
これは、ガンダムでたびたび登場するニュータイプという架空の概念と深い関係にあります。
ニュータイプについては別の記事で説明します。
というか、作品を観る前にあらかじめ知っておく必要はありません。
作品を見ながらぼんやりと考えればいいんです。
「人は分かり合えるのか、それとも分かり合えないのか?」
心理学的であり、哲学的でありながら、とても日常的で、されど明確な答えのない深いテーマだと思いませんか?
このテーマを頭の片隅においてガンダムをご覧いただければ、オタク向けのただのロボットアニメじゃない、ガンダムの本質が見えてくるのです。
ガンダムで語ることの意味
現実社会においても、上司とは分かり合えないように、他人とはなかなか分かり合えないですよね。
繰り返しますが「人は分かり合えるのか、分かり合えないのか?」
普通はこんな話題について上司はおろか、友人とでさえ語り合うことはそうそうないでしょう。
ガンダムは、モビルスーツという具体的で分かりやすいモチーフを通じて、この「人の理解」という抽象的なテーマを描いています。
ガンダムについて語りあうことは、「人の理解」について語り合うことと同じなのです。
つまり、上司とガンダムについて語り合うことで、お互いをわかり合うことが出来るようになるのです。
本来、分かり合えない上司と分かり合える。
これはもう人類の革新です。
上司との会話に備えて多くの引き出しを持っておくために、作品ごとに押さえておきたいポイントを紹介します。
機動戦士ガンダム 劇場版3部作
もともとはTV放送された43話分を3本の映画として再編集されたものです。
いわゆる「ファーストガンダム」とか「一年戦争」と呼ばれる作品です。
- 劇場版 機動戦士ガンダム [139分]
- 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 [133分]
- 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 [140分]
ガンダムといえば、一年戦争は基礎中の基礎知識。
ファーストを見ずして、ガンダムを語ることはできません。
作画が古いのはガマンしてください。
配色パターンはガンダムのカラーリングでキメる|一年戦争編ガンダムを観たことがない人でも、聞いたことのある有名なセリフがたくさん出てきます。
セリフは名言として、テレビのクイズ番組でとりあげられたり、LINEスタンプになったりもしています。
前後のシーンとともに押さえておくとビジネスシーンでも応用できます。
二度もぶった。親父にもぶたれたことないのに!
「機動戦士ガンダム」アムロ・レイのセリフより
戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ。
「機動戦士ガンダム」シャア・アズナブルのセリフより
ガンダムの中には「分かり合えない人たち」の関係がたくさん描かれています。
劇中をとおして、分かり合えない人同士が分かり合えるようになっていく人間関係の変化も見どころです。
- 親と子
- 兄と妹
- 軍人と民間人
- 上司と部下
- 敵と味方
また、人間関係だけでなくキャラクター個人に着目し、他人を分かろうとする意識の変化を見るのもおもしろいですよ。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
[120分]数あるガンダムシリーズの中で、多くのファンが傑作と認める作品です。
ガンダムの中の時間軸(宇宙世紀)では、ファースト、Z、ZZの後にこの「逆襲のシャア」が続きます。
これはむしろ発想が逆で、「逆襲のシャア」を理解するためにの最低限の基礎知識として、ファーストを見る必要があったのです。
劇場公開は1988年ですが、30年以上が経過した今見ても、文句なしに素晴らしい作品です。
たった2時間のアニメのなかに、観れば語りたくなるシーンが盛り沢山です。
ガンダムの歴史の中でも大きな影響力をもつ作品となっていますので、Z、ZZを観てからもう一度この「逆襲のシャア」を見て、理解を深めていただきたいと思います。
νガンダムはカラーリングも伊達じゃない!福岡の実物大立像との違いは?「人は分かり合えるか?」の対象が、もはや個人ではなく人類全体に向かいます。
そうか、しかしこの暖かさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ!
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」シャア・アズナブルのセリフより
わかってるよ!だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」アムロ・レイのセリフより
機動戦士Zガンダム
全50話
ストーリーと対立構造が分かりにくいと評判のZガンダムです。
ティターンズとエゥーゴは地球連邦軍の派閥、アクシズはジオンの残党軍です。
幕末に例えると、ティターンズが幕府、エゥーゴが薩長、アクシズが新撰組で、エゥーゴを支援したアナハイム・エレクトロニクスが英国といったところでしょうか(異論は認めます)。
勢力もややこしいですが、登場人物も所属がかわったり名前を変える人までいて、とても複雑です。
わかりにくいポイントは別記事で解説したいと思います。
分かり合いたいと思うカミーユと、分かり合えないと決めつけるクワトロ大尉。
でもね、僕は両親に親をやって欲しかったんですよ。そう言っちゃいけないんですか、子供が?
「機動戦士Zガンダム」カミーユ・ビダンのセリフより
人間は他人を信じないからさ。信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思い始める。人間を間違わせるのさ。
「機動戦士Zガンダム」クワトロ・バジーナのセリフより
機動戦士ガンダムZZ
全47話
Zガンダムの直接的な続編です。
前半は別のアニメかと錯覚するようなコミカルな雰囲気で、後半はシリアスになるのが特徴のシリーズです。
前半の雰囲気に耐えられない、合体・変形機構が受け入れられない、など、ガンダムファンの中でも賛否が分かれます。
一般的にガンダムを観たことがある層の中で、ファースト、Z、逆襲のシャアを観た人は多いですが、このZZを観たという人は限られます。
逆に言うと、ZZまで観ておけば上司にも一目置かれることは間違いないでしょう。
宇宙世紀の歴史の流れにおいては、「逆襲のシャア」は第二次ネオ・ジオン抗争、「ZZ」は第一ネオ・ジオン抗争と位置付けられています。
これを観ておかないと逆襲のシャアの背景は理解できません。
なお、2010年に映像化された機動戦士ガンダムUCにはZZの設定が多く引き継がれていますので、しっかりおさえておく必要があります。
ZZを見終わったら最後にもう一度、逆襲のシャアを観てガンダム脳に仕上げていきましょう。
アンタは頭で考えてる理屈を言っている。人は理屈で動くもんじゃない!
「機動戦士ガンダムZZ」ジュドー・アーシタのセリフより
人は生きる限りひとりだよ。人類そのものもそうだ。
「機動戦士ガンダムZZ」ハマーン・カーンのセリフより
ガンダムには、モビルスーツ、ニュータイプ、ミノフスキー粒子、サイコミュ・・・など様々な用語が登場します。
初めて見るときは、少しくらいわからなくても気にせずどんどん先に進みましょう。
くり返しますが「人と人は分かり合えるか?」をしっかり意識してみてください。
そして、ドンパチするシーンは少年の心で純粋に楽しんでください。
さぁ、ガンダムを通じて上司と分かり合いましょう。
「ガンダムを観たいけど、どの動画配信サービスを使えばいいのか分からない。調べるのが面倒。」
という方は、こちらの記事をご覧ください。
ガンダムシリーズの見放題について、どこよりも詳しくまとめていますので納得して選ぶことができます。
ガンダムを観るための最適な動画配信(VOD)サービスは?見放題10社を徹底比較