この記事では、『カラマーゾフの兄弟』に登場する主役級の中心的なキャラクターについて解説しています。
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【カラマーゾフの兄弟】全登場人物のリスト55歳の退役九等文官。
最初の妻アデライーダとの間に長男ドミートリーをもうけ、2人目の妻ソフィアとの間に次男イワンと三男アレクセイをもうける。
ソフィアを亡くしてから3、4年後にロシア南部へ向かい、オデッサで数年間を過ごし、4年前に物語の舞台となる町(スコトプリゴニエフスク)に帰ってくる。
つねに高慢で疑り深く、人を小ばかにしたような小さな目の下は、皮膚がたるんでだらりと垂れ下がり、小ぶりながらでっぷり太った顔には、長いシワがいくつも伸びている。
それほど大きくないが非常に高い、くっきりと曲がった鉤鼻と喉仏を、衰退期の古代ローマ貴族のようだと自慢に思っていた。
金を儲けてためこむ特別な才能を持つ。
長生きしたいと願い、長生きすればするだけ金が必要だと考えている。
【カラマーゾフの兄弟】フョードルの周辺人物の特徴を解説中背で、感じのよい顔立ちをした28歳の青年。
退役陸軍中尉。
顔は痩せ、頬がこけて、いかにも不健康そうな黄色味を帯びている。
少し飛び出した大きな黒い目は、鉄のような頑固さを秘めているらしかったが、どことなく落ち着きがない。
3歳のときに母アデライーダが駆け落ちしたあと、まる1年のあいだ下男グリーゴーリーにひきとられる。
その後、ミウーソフにひきとられたあと親類をところを転々とする。
中学校を中退し、陸軍の幼年学校に入るが、決闘騒ぎを起こしたり飲んだくれたりの自堕落な生活を送る。
母から多少の財産を受け継いだが、成人してから初めて会った父フョードルに騙され、小金を渡されただけでうやむやにされる。
2度目に父フョードルと対峙したとき、自分には何も残っていないことを知り、激怒する。
ドミートリーは、財産をめぐる父フョードルとの対立と、父も欲する女性グルーシェニカへの愛によって、この小説の本筋である悲劇的な結末を迎える。ドミートリーは父親殺しの罪に問われ、彼の性格と家族の道徳的、心理的な複雑さを明らかにする裁判に直面する。
【カラマーゾフの兄弟】ドミートリーの周辺人物の特徴を解説24歳。
7歳のときに母ソフィアが死に、下男グリーゴーリーにひきとられる。
その3か月後に、ヴォルホフ老夫人に連れられ、エフィム・ポレーノフのもとで養育される。
幼年期から勉学に対してずば抜けためざましい能力を発揮し、13歳になるかならないかの年でポレーノフの家を出、モスクワの中学校に入学する。
大学の前半2年間はアルバイトと勉学を両立させ、後半はさまざまな専門のテーマ別に非常に気のきいた評論を発表し、その名は文壇に知られるようになった。
大学を出たあと、教会裁判をめぐる記事を大新聞に寄稿する。
1年近く前からカテリーナに想いを寄せる。
「神が創ったこの世界は認められない」という思想をもち、「大審問官」という自作の物語をアレクセイに聞かせる。
【カラマーゾフの兄弟】イワンの周辺人物の特徴を解説20歳。
すらりとした体つきをし、バラ色の頬と澄んだまなざしをもつ、はちきれそうに健康な19歳の青年。
たいへんな美男子ともいえるほど。中背で均整のとれた体つき、髪は栗色、顔の輪郭はやや面長ながら整ったうりざね形で、その目は左右に広く離れ、濃い灰色に輝き、たいそう思慮深い穏やかな性格の青年のように見えた。
ピョートル・ミウーソフはアレクセイについて次のような名言で評した。(まるで無垢の幼児のような存在と言わんばかりである。)
「アレクセイという男は、百万の人口をもつ、見知らぬ大都市の広場に無一文で放り出されても、決して飢えや寒さのために死ぬことのない人間だ。すぐにだれかが食事や仕事を与えてくれるだろうし、もしも仕事がなくとも、自分でうまいこと居場所を見つけてしまうだろうからね。そのため本人は何の骨折りもすることはないし、屈辱を感じることもない。いっぽう彼の世話を焼こうという者は、それを苦だと思わないどころか、むしろ喜びと感じるかもしれない。」
4歳のときに母ソフィアが死に、下男グリーゴーリーにひきとられる。
その3か月後に、ヴォルホフ老夫人に連れられ、エフィム・ポレーノフのもとで養育される。
中学を卒業まで残り1年のところで中退し、父フョードルのところへもどる。
ゾシマ長老に出会い、修道院に入って一年近くになる。
【カラマーゾフの兄弟】アリョーシャの周辺人物の特徴を解説カラマーゾフ家の料理人。
24、5歳という若さながら、恐ろしく人づきあいの悪い無口な男。内気というわけではなく、傲慢といっていい性格で、すべての人を見下しているようなところがある。
リザヴェータから生まれる。父ははっきりしないが、フョードルとのうわさがあるり、父性にフョードロヴィチ
生まれたときから下男グリーゴーリーとその妻マルファに育てられる。
癲癇(てんかん)の持病がある。
スメルジャコフが15歳のとき、フョードルは書棚の鍵を渡し、スマラグドフの「世界史」を貸したが、スメルジャコフは10ページも読み進めることができなかった。
モスクワで数年、料理人の修行をして戻ってきたとき、なぜか異様なくらい老けこみ、年齢とまったく不相応なほどしわが増え、顔も黄ばんで去勢派宗徒みたいな感じになっていた。
フョードルは彼の正直さを信じ、ものをとったり盗んだりすることなど絶対にないと固く信じていた。
【カラマーゾフの兄弟】スメルジャコフの周辺人物の特徴を解説65歳。俗名はジノーヴィー。
父はさほど官位も高くない貴族で、ゾシマが2歳のときに他界する。
地主一族の出身で、ごく若い頃は軍役につき、コーカサスで尉官を務めていた。
あまりに多くの懺悔や悲嘆や告白を自分の魂に引き受けたため、未知の人間が訪ねてきても、その悩みを言い当てることができるほどの繊細な洞察力をもつ。
病気のため少なくとも10歳は老けて見える。
白髪が残っているのはこめかみあたりだけで、ごくまばらな細かいあごひげがくさび形にのび、唇は薄くまるで2本の細かい紐のようだった。
【カラマーゾフの兄弟】ゾシマ長老の周辺人物の特徴を解説ドミートリーの婚約者。
ドミートリーが軍隊にいたときの上司にあたる中佐の次女で、アガーフィアの腹違いの妹にあたる。
とびぬけて背が高い。
貴族女学校出身で、意志が強くてプライドの高い、じつに高潔でなにより知性と教養にあふれる。
【カラマーゾフの兄弟】カテリーナの周辺人物の特徴を解説22歳。
ぬけるような色白の顔をしていて、頬にはほんのりと上品な赤みがさしている。
顔のラインは大きすぎるといってよいほどで、下あごが心持ち前に出ている。
上唇はうすく、ややせりだした下唇は2倍ほどふっくらし、いくぶん腫れあがったような感じがある。
ゆたかに波うたせた栗色の髪、テンのようにつややかな黒い眉毛、まつ毛の長い魅惑的で灰色がかった青い。
家柄はなかなかのもので、非常勤の輔祭か何かの娘らしい。
17歳のときに将校にすてられたところをサムソーノフ老人に救われた。
18歳のときからモローゾワ夫人の屋敷に住んでいる。
この4年間で感受性のつよい、傷を負った、孤児同然のあわれな娘が、血色のいい、豊満なロシア美人に生まれ変わった。
おまけに大胆できっぱりした性格をもち、横柄でプライドが高く、儲け上手ですでに一財産を築き上げているらしい。
女中として、年寄りの料理女とその孫フェーニャの2人がいる。
アレクセイは、グルーシェニカがラチーキンの親戚だと聞いていた。
イワンは、グルーシェニカのことをケダモノと呼ぶ。
【カラマーゾフの兄弟】グルーシェニカの周辺人物の特徴を解説この記事では、『カラマーゾフの兄弟』に登場する中心的なキャラクターについて解説しています。
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