トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」は登場人物が多いため、人物同士の関係が分かりづらいです。
この分かりづらい人間関係を、相関図により図解して分かりやすく整理しました。
人物相関図とは、名前のとおり人物の関係を視覚化した図のことです。
人物相関図を見ることにより、複雑な人間関係でもひと目で理解することができます。
アンナ・カレーニナを読む前の予習として見ておくと、ストーリーがとても理解しやすくなります。
また、一度読んだ方にとっては、物語を思い出すきっかけにもなり、より理解が深まるものと思います。
長編小説「アンナ・カレーニナ」の読み方については、まずはこちらの記事をご確認ください。
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同じロシア文学でドストエフスキーの小説「罪と罰」の人物相関図も作成しています。
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小説アンナ・カレーニナは第1編から第8編で構成されています。
物語の進展にそって人間関係は変化していきますので、相関図は編ごとに掲載しています。
編と編の間は長めの空白を入れています。
読み進める前に先の相関図を見たくない方は、スクロールにご注意ください。
- 人物アイコンは、登場人物一覧と同じものを使っています。
- 中央に近く、人物アイコンが大きいほど、物語における重要さを表します。
- 相関図をクリックすると高解像で見ることができます。読みにくい場合はご利用ください。
基本関係
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この相関図は、初期値的な人間関係を表しています。
例えば、親子や兄妹、親友などです。
小説を読む前や、読んでいて人物関係に迷ったときは、まずはこの基本の相関図で現在地を確認しましょう。
先の展開を知りたくない方、いわゆるネタバレしたくない方は、スクロールをやめて戻りましょう。
第1編の人物相関図
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小説の題名が「アンナ・カレーニナ」なのに物語の冒頭はオブロンスキーなのが、最初につまずきやすいポイントです。
はじまったばかりなので、誰のことを書いているのかをていねいに確認しながら読み進めるといいでしょう。
第2編の人物相関図
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第2編では、物語はおおむね3つのパートで進行していきます。
「アンナとヴロンスキー」「リョーヴィン」「キティ」のパートです。
登場人物は多いですが、軸になる人物との関係を意識して読み進めましょう。
第3編の人物相関図
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第3編では、愛する人との逢瀬を重ねるアンナとヴロンスキーですが、徐々に現実的な問題が浮かび上がってきます。
一方、キティへの気持ちを忘れようとするリョーヴィンでしたが、偶然キティを見かけたことで、彼女への愛を再確認します。
第4編の人物相関図
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第4編では、リョーヴィンとキティが惹かれあい、物語において二人のパートは合流していきます。
一方で、アンナは産後の病気で混乱します。
アンナを失うことへの哀惜とカレーニンへの屈辱で、ヴロンスキーはピストル自殺を図ってしまいます。
第5編の人物相関図
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第5編では、リョーヴィンとキティは結婚式をあげ、みんなに祝福されます。
リョーヴィンは兄ニコライの死に接し、キティの献身的な看護に心を打たれると同時に、死への恐怖と絶望は、愛によって救われると思うようになります。
平穏で退屈な生活に飽きると、アンナは息子セリョージャに会うためにペテルベルグに戻ります。
第6編の人物相関図
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第6編では、リョーヴィンはキティとともにボクローフスコエ村で生活します。
そこにオブロンスキーがヴェスロフスキーを連れてきて、リョーヴィンも一緒に猟を楽しむのですが、ヴェスロフスキーのキティへの接し方に不純なものを感じたリョーヴィンは彼を追い出す、というささやかな事件も発生します。
一方、ヴォズドヴィジェンスコエ村に引っ越したヴロンスキーとアンナは、豪華な邸宅で暮らします。
ヴロンスキーはカシン県の選挙に夢中になり家を空けるようになると、アンナの束縛はますます強くなり、それにつれてヴロンスキーの愛情も冷めていきます。
第7編の人物相関図
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第7編になると、これまで別々だった「アンナとヴロンスキー」のパートと「リョーヴィンとキティ」のパートが直接交わるようになります。
相関図で見ると、4人の間に直接、上下の線が入るようになります。
が、すでにアンナの混乱は極限に達し、車輌へ飛び込んでしまうのです。
第8編の人物相関図
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第8編は最終章です。
アンナ亡き後、ヴロンスキーは虚脱状態と狂乱状態を経て、ヤーシュヴィンに説得され、自費で一個中隊を編成して露土戦争に出征していくことになります。
リョーヴィンは、幸福な家庭の主人にありながら、自分がなにものであり、何のために生きているかということを考え、苦悩し、やがて善の意義を見出していきます。
いかがだったでしょうか。
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