トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」には多くの人物が登場します。
似たような名前の人物もいますので、読みながら覚えていくのは大変です。
長い小説の中から見返すのも手間がかかります。
どんな人物だったか分からなくなったときに、さっと確認できる一覧があればとても便利ですよね。
ここでは、アンナ・カレーニナに登場するすべての登場人物を網羅しています。
読書の手引きとしてご利用ください。
長編小説「アンナ・カレーニナ」の読み方については、まずはこちらの記事をご確認ください。
長編小説アンナ・カレーニナを挫折せずに読むための方法まとめ登場人物の関係をサクッと確認したい場合は、人物相関図が便利です。
【アンナ・カレーニナ】ひと目でわかる人物相関図日本語訳版はあえて父称を省略していることが多いです。
作品中に父称が一度も出てこない場合は、カナ名には記載していません。
例えば、カレーニンのフルネームはアレクセイ・アレクサンドロヴィチ・カレーニンですが、日本語訳ではアレクセイ・カレーニンとしか表記されないため、カナ名は父称アレクサンドロヴィチを省略しています。
初読でも使えるよう、物語の核心にはなるべくふれないよう記載しています。
4人の主役
露: Анны Аркадьевны Каренина
英: Anna Arkadyevna Karenin
黒い髪。濃いまつ毛。
夫のアレクセイ・カレーニンとの間には、一人息子のセリョージャがいる。
カレーニンとは、地方の富裕な貴婦人だったアンナの伯母を通じて結婚した。[5-21]
ヴロンスキーはアンナの外貌を見たとたん、最上級の社会に属する人だと悟った。[1-18]
キティには、アンナは「あたしたちとはかけ離れた、悪魔的な美しさがある」と見えた。[1-23]
露: Константин Дмитрич Левин, Костя
英: Konstantin Dmitritch Levin, Kostya
32歳。[1-6]
カラジンスキー郡に3,000ヘクタールの領地がある。[1-5]
片手で80キロを上げるスポーツマン。オブロンスキーは彼の二頭筋をサムソン(旧約聖書に出てくる怪力の持ち主)のようだと評した。[4-9]
父母はすでに他界し、歳の離れた外国に住んでいる姉が一人いる。
母親についての思いは、彼にとって神聖な追憶である。[1-27]
リョーヴィンには偽善的な性質はひとかけらもない。[3-9]
彼にとって狩猟は、あらゆる悲しみに対する最善の慰みである。[3-24]
露: Алексей Кириллович Вронский, Алеша
英: Alexey Kirillovitch Vronsky, Alexy
父はキリル・ヴロンスキー伯爵。
裕福で美男子でペテルブルグ社交界の貴公子、侍従武官であり階級は大尉。
背はあまり高くない、がっちりした体格、短く刈り込んだ黒い頭髪。[1-14]
話の進行とともに、頭頂部の薄毛の進行を著者トルストイにいじられる。
露: Екатерину Щербацкий, Кити, Катя
英: Ekaterina Alexandrovna, Kitty, Katya
シチェルバツキー家のドリイ、ナタリイに次ぐ末妹で18歳。[1-12]
髪はブリュネット(栗色)。[5-2]
モスクワの舞踏会でキティと踊った青年のほとんど全てはキティに恋してしまうくらい、社交界では成功しつつある。
興奮すると両手でかわるがわる物を握る癖がある。[2-3]
ピアノが上手。[2-32]
主役をとりまく主要人物
露: Степан Аркадьич Облонский, Стива
英: Stepan Arkadyevitch Oblonsky, Stiva
34歳の美丈夫。妻はドリイ。
善良で快活な性格と根っからの誠実さを持ち、徹底した自由主義者である。
義弟カレーニンの世話により、モスクワの役所の長官の地位にある。
4人の主役とはいずれとも関係が深く、たびたび登場するキーパーソン。
女好きであり、「恋愛のない人生を認めない」と断言し、女性に対する自身の姿勢を次のように表現する。[2-14]
「だいたい、女ってやつはいくら研究しても、そのたびにまったく新しい面を表すもんでね。(中略)ある数学者が言ってるじゃないか、研究の楽しみは真理の発見にあるのじゃなくて、その探求にあるとね。」
宴会が好きで、とりわけ自宅で宴会を催すのが大好き。[4-7]
晩餐の終わりに無用な電報を打つ趣味がある。[6-31]
露: Дарья Александровна, Долли, Долинька
英: Darya Alexandrovna, Dolly, Dolinka
夫オブロンスキーの浮気に苦しむ。
子5人の母である。[1-4]
6人目の子リリイを出産する。
大家族に対する心くばりもまた、たえず彼女を苦しめる。[2-2]
エルグショーヴォ村に別荘がある。[3-7]
父親ゆずりの漫談の名手である。[6-15]
第6篇の時点で、オブロンスキーと結婚して15年になる。
6人の子の他に、乳飲み子の時にクルップ病で死んだ男の子もいた。[6-16]
露: Алексея Александровича Каренин
英: Alexey Alexandrovitch Karenin
アンナの夫。
やや猫背であるが、ペテルブルグ人らしいさっぱりした顔をしている。[1-31]
モットーは「急ぐことなもなく、休むこともなく」。
読書家で、政治、哲学、神学の本に興味を持つ。
芸術には無縁にもかかわらず、話題となった本を読破することを義務としている。[1-33]
両手を組み合わせて指をぽきぽき鳴らす癖がある。[2-8]
一見きわめて冷静で思慮深いが、その性格とは矛盾する弱点として、女子供が泣くのを、平然とながめたり、聞いたりすることができない。[3-13]
二人兄弟で孤児として成長した。
父親の顔は知らず、母親は彼が10歳の時に死んだ。
政府高官で先帝の寵臣だった叔父のカレーニンが二人を養育した。
彼にとって、親友と呼べるものは一人もいない。[5-21]
露: Сергей Иванович Кознышева
英: Sergey Ivanovitch Koznishev
リョーヴィンの異父兄。
全ロシアにその名を知られるくらい有名な作家。[1-5]
モスクワに住んでいる。[1-7]
かつてマリーという女性を愛し、彼女を失った後は、彼女の思い出に生きることを誓った。
第6編の時点で40歳。[6-4]
「ヨーロッパならびにロシアにおける国家機構の基礎および形態の概要」という著書を出版した。[8-1]
露: Николай Дмитрич Левин
英: Nikolay Dmitritch Levin
リョーヴィンの実兄。
訳文では出てこないが、リョーヴィンと同じ父称ドミートリッチであり、コズヌイシェフの父称イワーノヴィッチとは異なる。
大学にいたときから卒業後1年間は、敬虔な修行僧でノアと呼ばれていた。
リョーヴィンのセリフから、大学とはキエフ大学だったことがうかがえる。
さまざまな裁判沙汰を起こした過去をもつ。
痙攣的に首を振るクセがある。[1-24]
マーシャとは2年前から同棲している。
露: Варенька
英: Varenka
マダム・シュタールの養女。[2-31]
宮廷のコックの娘であったが、シュタールの赤ん坊が生まれてすぐ死んだので、同じ晩に同じ建物で生まれたということで養女となった。[2-32]
19歳くらいにも見えれば、30歳ぐらいにも思われる。
キティは、ワーレンカの自分とは正反対な点に惹きつけらる。[2-30]
歌がうまい。
過去に好きな人がいたが、彼の母親が不賛成だったため、その人は他の女性と結婚した。[2-32]
英語版サイトの人物リストには、VARVARA ANDREEVNA(VARENKA)と記載されている。
露: Сергей Алексеич, Сережи, Кутик
英: Sergey Alexeitch, Seryozha, Kootik
オブロンスキーの長女ターニャと同い年で8歳。[1-19]
アンナとヴロンスキーにとっては羅針盤のような存在である。[2-22]
露: Анной, Ани
英: Anna, Annie
アンナの友人
露: Аннушкой
英: Annushka
アンナの身の回りの世話をしている女性。
アンナのモスクワ行きに同行し、帰りの列車の車室ではアンナと並んで座る。[1-29]
アンナの着付けを手伝う。[2-27]
「アンナといっしょに育った」というアンヌシカのセリフから、アンナとは年齢が近いことがうかがえる。[6-19]
亭主がいる。[7-28]
露: Варварой
英: Varvara
アンナの叔母にあたるオールド・ミス。
アンナは彼女のことをワルワーラと呼ぶ。[5-32]
アンナの叔母にあたるということは、もちろんスチーヴァの叔母でもある。
ドリイによると、ワルワーラはこれまで金持ちの親戚の居候として過ごしてきた。[6-17]
露: Катерина Павловна
英: Katerina Pavlovna
アンナを育てたとされる。[6-20]
作家で出版屋。
オブロンスキーが、アンナの書いた本をヴォルクーエフに紹介した。[7-9]
アンナが養女にして面倒を見ているイギリス娘。[7-23]
ヴロンスキーの連隊や将官仲間
露: Яшвиным
英: Yashvin
ヴロンスキーのいちばんの親友。公爵で大尉。
すらりと背が高く、声はバリトンボイス。
トランプ遊びの道楽者で、不道徳の規範を信奉する。
ヴロンスキーの理解者であり、愛称「アリョーシャ」で呼ぶ。[2-19]
露: Петрицкий
英: Petritsky
若い中尉で、ヴロンスキーの同僚で親友。
名門の出でも、金持ちでもなく借金で首がまわらないくらい。
ヴロンスキーがペテルブルグを離れたとき、モルスカヤ街にあるヴロンスキーの大きな邸宅をあずかっていた。
シルトン男爵夫人からはピエールと呼ばれている。[1-34]
ペトリツキーの女友だち。金髪。
夫から離縁してもらうことを期待している。[1-34]
若い公爵。
ペトリツキーと共に酔っぱらって九等官ヴェンデンの若い女房を追いまわす。[2-5]
ヴロンスキーの愛馬。
黒栗毛。
中背で体格は非の打ちどころがないとは言えないが、全ての欠点を忘れさせるほどの特質としての血統を持つ。[2-21]
ヴロンスキーの競馬のライバル。
愛馬はグラジアートル。[2-25]
マホーチンの愛馬。
足の白い栗毛。
中背で体格は非の打ちどころがないとは言えないが、全ての欠点を忘れさせるほどの特質としての血統を持つ。
ヴロンスキーの友人。
ヴロンスキーの競馬の手強い競争相手のひとり。[2-24]
ヴロンスキーが競馬で競争したうちのひとり。
弱々しい神経をもっているくせに、恐ろしく自尊心が強い。
愛馬はディアナ。[2-25]
グラーボフ牧場生まれのサラブレッド牝馬。[2-24]
公爵。
ヴロンスキーとは同い年で、少年時代からの友人であり競争相手。
中央アジアから、2階級昇進して勲章をもらって、将官となって帰還する。[3-20]
セルプホフスコイの妻は、ヴロンスキーの兄嫁ワーリヤと友達である。
ヴロンスキーに対して結婚観について語る。
女性を「運ぶ重荷」に例え、結婚とは重荷を背中に縛りつけ両手を自由にするものと説く。[3-21]
ヴロンスキーの連隊長。
ヴロンスキーやペトリツキーは、この連隊長のことをグリーツカと呼ぶ。[3-21]
ヴロンスキーの一族
アレクセイ・ヴロンスキーの母。
若い頃は社交界の花形で、結婚後も未亡人になってからも、数々のロマンスを作って社交界にその名を知られていた。[1-16]
青みがかった黒い巻き髪。[5-33]
アレクセイ・ヴロンスキーの兄。
参謀の金モールをつけた大佐。放縦な、酒びたりの生活で有名だが、しんから宮廷風な人間。[2-24]
子がいるにもかかわらず、あるバレエの踊り子を世話していたこともあるため、ヴロンスキーの情事には頓着していない。[2-18]
ヴロンスキーは兄のことをエゴール兄さんと呼ぶ。[5-33]
アレクサンドル・ヴロンスキーの娘。
ヴロンスキー伯爵夫人のセリフの中で、かわいい孫として登場する。[1-18]
12月党員(デカブリスト)のチルコフ公爵の令嬢で、アレクサンドル・ヴロンスキーの妻。[3-19]
ヴロンスキーの友人や知人
ヴロンスキーの貴族幼年学校時代の仲間で、いつも首席を通し、活発で、善良で、上品なやせぎすの少年だった。
学校時代に自由主義者の党に属し、文官の資格で学校を出た。
「二つの起源」の第二部を書いている。[5-7]
ロシアの画家で、イタリアにある小さな町に住んでいる。
コレニーシチェフによると、モスクワの貴族の執事のせがれ。[5-9]
どんな顔でも一度見れば覚えてしまう。[5-11]
アンナの肖像画を描く。
ミハイロフの妻。[5-10]
ヴォズドヴィジェンスコエにあるヴロンスキーの邸宅にいるドイツ人の支配人。
機械の構造に詳しい。[6-22]
ヴォズドヴィジェンスコエにあるヴロンスキーの邸宅にいる病身らしい医者。[6-22]
カシン県でとても繁盛している銀行を創設した人物。
ヴロンスキーの古くからの知人で、ヴロンスキーに豪壮な邸宅を譲る。[6-31]
侍従将官でカシン県の知事。
ヴロンスキーの貴族幼年学校時代の友人。[6-31]
ヴロンスキー伯爵夫人とバッチイのオペラを観覧する。[5-33]
ヴロンスキー伯爵夫人がヴロンスキーに結婚を勧める人物で、伯爵夫人といっしょにモスクワの郊外の村に住んでいる。[7-24]
リョーヴィンの友人や知人
ニコライの情婦。
ニコライによると、「女郎屋から足を抜こうとしたときに裁判ざたになった」という過去を持つ。[1-25]
善良そうで、気の利かなそうな、いくらか太ったあばた顔。[5-17]
ニコライがキエフ大学にいた頃からの親友。
ニコライによると、「警察からねらわれている」という身。[1-24]
スロフスキー郡の貴族団長。
リョーヴィンの親友で、リョーヴィンより5つ年上(なので、37歳?)。
高い教養を身につけ、疑いもなく誠実で善良で聡明な人物。
きわめて自由主義的な人間であり、貴族階級を軽蔑しているが、役人であり模範的な貴族団長として振舞う。
スヴィヤジュスキーの妻の妹をリョーヴィンに嫁がせようと考えていた。[3-25]
田鴫沼での狩猟にリョーヴィンを誘う。[3-24]
スヴィヤジュスキーの妻。[3-26]
スヴィヤジュスキーの家に、ワシリチコフとともに来ていたもう一人の地主。
族長時代のやり方で農場を経営している。[3-27]
ごま塩ひげの地主、村の古老で熱心な農場経営者。[3-26]
スヴィヤジュスキーの家に、ミハイル・ペトローヴィチとともに来ていた。
スヴィヤジュスキーによると、隠れたる骨の髄まで農奴制主義者。
工場を経営している。[3-27]
貴族団の会議でリョーヴィンと再会する。
農場経営の新旧について、リョーヴィンと話がはずむ。
彼は貴族としての自分の農場経営が、儲からない時勢遅れなやり方であることを自覚しているが、一方で、新しい商人的なやり方を嫌悪している。[6-29]
スヴィヤジュスキーの家にきていた主婦の妹。
白い胸のところを四角に開けた服を着ていたことが、リョーヴィンから思考の自由を奪う。[3-26]
リョーヴィンの大学時代の友だちで、自然科学の教授をしている。[5-2]
単純明快な人生観の持ち主。[7-3]
リョーヴィンの熊狩り仲間。モスクワの治安判事をしている。
アルヒープとも知り合い。[5-2]
あまり背の高くない、がっちりした体格のとてもいい顔立ちの人物。[7-3]
ペテルブルグの有名な学者。
キティの友人や知人
シチェルバツキー家で三姉妹と共に行動していた。[1-6]
キティのことを「愛する教え子」と評する。[4-16]
ロシア貴婦人。
歩くことができない程の病身で、車椅子に乗っている。
ワーレンカと共にドイツの温泉に来ていた。[2-30]
シチェルバツキー公爵夫人は、マダム・シュタールの義妹とは知り合い。[2-31]
あらゆる教会、あらゆる信仰の最高代表者ときわめて親密な関係がある。[2-32]
ドイツの温泉場で、ワーレンカの保護のもとにあった病める人びとのうちの一人。
貧しい病気の画家。
首が長くひどくやせている。まばらな縮れ毛で青い目。[2-33]
妻はアンナ・パーヴロヴナで、子は3人いる。[2-34]
ペドロフの妻。
人の良さそうな丸顔。[2-33]
ペドロフはアネッタと呼ぶ。[2-34]
ドイツの温泉でキティと知り合いになった盲目のフランス婦人。
シチェルバツキー老公爵に対してセリフが一言だけある。[2-33]
キティの小間使。キティは結婚してからも、彼女にお嬢さんと呼ばれることに傷つく。[5-14]
オブロンスキーの友人や知人
オブロンスキーが勤めるモスクワの役所の事務所における、オブロンスキーの2人の補佐役のひとり。
役所の古狸(ふるだぬき)。[1-5]
オブロンスキーが勤めるモスクワの役所の事務所における、オブロンスキーの2人の補佐役のひとり。
侍従補。長い黄色い爪を持つ紳士。
初対面のリョーヴィンに不愉快な印象を与える。[1-5]
オブロンスキーの世話で劇場に入座したバレエの踊り子。[4-7]
家庭を持たない娘のようだが、ドリイに言わせると自分の家か姉の家を捨てて出て行ったらしい。[4-9]
有名な変わり者で、感激家で、自由主義者で、おしゃべりで、音楽家で、歴史家である50歳の青年。[4-7]
コズヌイシェフとは互いに尊敬しあっていたものの、ほとんどあらゆる点で、まったくどうにもならないほど意見を異にしていた。
オブロンスキーの家で、カレーニンやコズヌイシェフとポーランドのロシア化、古典教育と実科教育、女子教育の問題、結婚生活における男女の権利の不平等などについて議論する。[4-9]
リョーヴィンとも知り合いで、ナタリイに同行した音楽会でリョーヴィンと出会う。[7-5]
ヤーシュヴィンとの賭けに負けて、6万ルーブルからの借金をつくる。[7-25]
オブロンスキーの属する局の新長官。[4-7]
好人物、遊蕩児。
コズヌイシェフやシチェルバツキー老公爵の機知に富んだ冗談に対して愉快そうによく笑う。[4-9]
ドリイのこどもたちが猩紅熱にかかった時に看病した。[6-16]
モスクワのクラブでリョーヴィンと同席する。[7-7]
シチェルバツキーの又従兄にあたる。
でっぷりした美青年。ペテルブルグやモスクワの社交界では有名な若手の花形。
オブロンスキーの言葉をかりれば、「一点非の打ちどころのない青年で、熱心な狩猟家」。[6-6]
リョーヴィンによると、ヴェスロフスキーの体重は6プード(約96キログラム)以下ではない。[6-8]
オブロンスキーによると、出征することになっている。[8-2]
オブロンスキーの猟犬。
淡黄色の斑のあるポインター種の犬。[6-8]
ペテルブルグに住む、生活費に年5万ルーブルかけ、150万ルーブルの借金がある人物。
オブロンスキーが南武鉄道相互信用代理委員会の一員になるために、モルドヴィンスキーへの口添えを依頼する。[7-20]
オブロンスキーによると、出征することになっている。[8-2]
オブロンスキーに、外国にいると若返ったような気分になり活力がわくが、ロシアに帰ってくるとただもう後生を願うばかりで爺くさくなると話す。60歳。[7-20]
オブロンスキーがペテルブルグでの宿にしている。[7-21]
シチェルバツキー一族
夫は外交官のリヴォフ。
しとやかな美人。[5-5]
子どもは男の子が何人かいる。[7-4]
外交官でナタリイの夫。
ナタリイやキティは彼のことをアルセーニイと呼ぶ。[7-2]
今までずっと両首都と外国で暮らしてきた。
若々しくきゃしゃで美しい顔で、波うった耀くばかりの銀髪が気品を感じさせる。[7-4]
キティの従兄妹。
キティと一緒にスケートに来ていた。[1-9]
露: Александр Щербацкий
英: Alexander Shtcherbatsky
キティやドリイらの父親で、作中では「老公爵」とも呼ばれている。
キティがリョーヴィンと結婚することを望んでいる。
キティの婿候補は、リョーヴィンではなくヴロンスキーを望んでいる。
リョーヴィンと一緒に大学に入学した。
海軍に入って間もなくバルチック海で溺死。[1-6]
キティの伯母。[5-4]
ペテルブルグ社交界
アンナは、ペテルブルグ社交界において3つのグループに友だちがいた。[2-4]
病身らしい黄色い顔で、背の高い、よく太った婦人。
カレーニンの親友で、アンナも夫との関係から誰よりも親しくしていた。
カレーニンは、サモワール夫人とあだ名した。[1-31]
アンナから見たペテルブルグ社交界の第二のグループの中心人物。
このグループは「社交界の良心」とも呼ばれる。[2-4]
異民族の代表団のことに関してはひとかどの専門家。[4-8]
ペテルブルグで流行している新しい解釈のキリスト教の熱心な信者である。[5-22]
娘時分に、ある裕福で、名門で、善良で、しかしきわめて放埒な陽気な男のところへ嫁にやられ、結婚して2月目に夫が彼女を捨てて以来、離婚せず別居生活となる。
夫には愛情を感じなくなったが、誰かに恋しつづけていた。
喘息の持病がある。[5-23]
アンナの従兄の妻であり、ヴロンスキーとは従兄妹である。[2-4]
年20万ルーブルもの収入がある。[1-31]
ペテルブルグ社交界の第三のグループに所属する。[2-4]
アンナは、ベッチイが社交界には秘密でトゥシュケーヴィチと関係を持っていることを知っていた。[2-22]
ベッチイの夫。
人の良い、肥大漢で、熱心な版画の収集家。[2-6]
赤ら顔に眉を剃りおとし、太っている。
態度がざっくばらんで、ぶしつけで、恐るべき子供と呼ばれている。[2-6]
アンナだけでなくオブロンスキーとも知り合いである。[7-20]
ブロンドの美青年。
ルイ15世に似たところがある、らしい。[2-6]
なにかの模倣を模倣する「社交界の七ふしぎ」と呼ばれた、新しいペテルブルグ社交界の選り抜きのグループの代表者のひとりで、社交界でも最高のグループに属している。[3-17]
東洋風の物憂げな顔立ちをしたやせすぎのブリュネット。
うつくしいひとみを持つ。[3-18]
アンナによると、慈善団体で監獄を受けもち、アンナに囚人たちの作ったかごや木彫り細工みたいなものを売りつける。[7-10]
リーザ・メルカーロヴァと同じ社交界のグループ。[3-17]
ベッチイの家でクロケットをするために、リーザ・メルカーロヴァらと集まる。
アンナとベッチイの会話から、カルジュスキーはミーシュカと不倫関係にあることがうかがえる。[3-15]
50がらみの、半ば白髪頭のまだ元気いっぱいの人物。
カレーニンとは仕事上、敵対関係にある。[3-18]
ベッチイの家でクロケットをするために、シュトルツ男爵夫人らと集まる。[3-15]
クロケー狂い。
リーザ・メルカーロヴァに恋している。[3-17]
リーザ・メルカーロヴァは妻の姪にあたる。[3-18]
有名な社交界の新星。
黒いひとみをしたブロンドの女性。[3-18]
サフォがつれている青年で、サフォは彼のことをワーシカとよぶ。
はちきれんばかりの健康に輝いている。[3-18]
太ったはげ頭の紳士。
夫婦でオペラに訪れ、アンナの一行の左隣の桟敷にいた。[5-32]
夫婦でオペラに訪れ、アンナの一行の左隣の桟敷にいた。
アンナのことを侮辱する。[5-32]
千里眼のジュール・ランドーと呼ばれる。
パリのあるお店の番頭だったが、医者の待合室で居眠りし、夢うつつの間に患者に療法を教えた。[7-20]
べズーホフ伯爵夫人の養子となったことで、べズーホフ伯爵と呼ばれる。[7-21]
ランドーに病気を治してもらったことで、彼に惚れこんで養子にした。[7-20]
モスクワ社交界
オブロンスキーが合唱の練習に通っている。[1-2]
愛称はマーシャ?[1-14]
キティの友達で去年嫁いだ。
リョーヴィンとは、お互いを軽蔑し、さげすみ合う関係である。[1-14]
有名な舞踏会の指導者で式部官。
妻はリジイで、ヴロンスキーはこの夫婦を愛すべき40代の子供と描写した。[1-23]
コルスンスキーの妻。
「もうそれ以上出せないほど肩を現した、美人の誉れたかい」女性といわれている。[1-22]
はげ頭。
社交界の花形の集まる場所には必ず顔を見せる。
キティが体を回転した拍子に、扇状に広がったドレスの裾が彼のひざにおおいかぶさった。[1-22]
キティの結婚式に集まった夫人。
ドベルツカヤとの会話で、晩に結婚式をあげるのは商家のしきたり、と話した。[5-5]
キティの結婚式に集まった婦人。
コルスンスカヤとの会話を通して、自分の結婚当時を思い出し、ため息をついた。[5-5]
キティの結婚式に参列。
自分に気のあるらしい公爵令嬢チャーチルスカヤに話しかける。[5-5]
キティの結婚式に参列した公爵令嬢。
シニャーヴィン伯爵との結婚を思い描く。[5-5]
キティの結婚式に参列した老女官。
大げさなことがきらいで、結婚するようなことがあったら式は簡単なものにしようと決めている。[5-5]
オブロンスキーとドリイの子どもたち
朝食のとき、口笛を吹き、叱られる。
グリーシャと木いちご畑に行っていたずらをしたことで、ドリイに叱られる。[6-15]
猩紅熱が疑われる熱を出した。[2-2]
リョーヴィンの使用人
ポクローフスコエ村にあるリョーヴィンの家の使用人。
リョーヴィン家の家政婦のばあや。[1-26]
哲学の話が好き。[2-12]
リョーヴィン家の支配人。[1-26]
リョーヴィンの独身時代から奉公している老僕。[7-2]
リョーヴィンが結婚式当日に着る予定だったワイシャツを荷造りして送ってしまい、あたふたする。[5-3]
リョーヴィン家の支配人。
新しい乾燥機でそばを焦がしたことでリョーヴィンの不興を買う。[1-26]
リョーヴィンの家の番頭。
元々はリョーヴィンの兄ニコライの使用人だった。[1-25]
リョーヴィンの家の使用人だが役柄は不明。
厩舎に提灯を持って行った。[1-25]
リョーヴィンの家の片目の御者。[1-26]
御者(ぎょしゃ、露:кучер 英:coachman)とは、馬などの使役動物を動力とする乗り物の運転手です。
リョーヴィンの猟犬。[1-26]
雌の老犬である。[1-27]
灰色である。[2-15]
リョーヴィン家の家畜で雌牛。
博覧会で買った良種で、赤毛のオランダ牛。[1-26]
リョーヴィン家の家畜で雄牛。
黒ぶちのオランダ牛。[1-26]
リョーヴィンが所有する濃褐色の馬。[2-13]
リョーヴィン家の作男。
支配人からクローバーの種まきを指示される。[2-12]
ワシーリイと一緒にクローバーの種まきをしていた。[2-12]
愛嬌のある若々しい顔。[3-5]
リョーヴィンにラスカをしっかりおさえておくよう指示された人物。[6-8]
リョーヴィンがオブロンスキーとヴェスロフスキーと一緒に出かけた猟に同行し、料理の支度などを行う。[6-13]
リョーヴィンが、ドリイの旅行に同行させた事務所の男。[6-16]
リョーヴィンが、ドリイの旅行のために用立てた馬車の御者。[6-24]
リョーヴィンの農場の支配人。[7-11]
リョーヴィンが、小麦を売ることと水車場の使用料を前金で取りたてることを指示した人物。[7-1]
リョーヴィンが、田舎からモスクワに連れてきた轅馬の名前。
足をひきずっている。[7-2]
リョーヴィンの御者。
リョーヴィンが持っていた手綱をなおしながら、リョーヴィンに切り株をよけるよう忠告する。
リョーヴィンはこのイワンの干渉に腹を立ててしまう。[8-14]
オブロンスキー家の使用人
オブロンスキー家の古いなじみの召使い。
一人称が「わし」であることから、高齢であろう。[1-2]
主人のオブロンスキーとのやりとりから長い付き合いであることがうかがえる。
オブロンスキー家の召使い。
「ばあや」で「きつい、あばた顔」と評されている。[1-2]
主人ドリイの無二の親友である。
「今に何もかも丸くおさまりますよ」が口癖。[3-7]
オブロンスキー家の家庭教師だったフランス婦人。
オブロンスキーの浮気相手。[1-2]
ターニャのセリフに登場する。[1-3]
オブロンスキーの家でアンナがドリイの子どもたちに呼びかけるセリフにのみ登場する。
ミス・グールと呼ばれたことから未婚の女性であることがわかる。[1-20]
オブロンスキー家の御者。
白樺の木陰で横になり、下等な葉たばこをふかす。[3-8]
カレーニン家の使用人
カレーニン家の御者。[1-31]
カレーニンの事務主任。
カレーニンを診察した医者とは大学時代の友人。[2-26]
気さくで、聡明で、善良で、道義心の強い男。[5-21]
セリョージャの家庭教師。
セリョージャのいたずらに対して特別厳しい態度をとる。[3-15]
アンナの夢の中で、不吉なことを言う人物。
夢の中で目覚めたアンナを奥さまと呼ぶところから、身近にいる使用人的な立場にあることがうかがえる。[4-3]
カレーニンの召使い。[5-21]
カレーニンの召使。
モスクワのホテル・デュソーに滞在していたカレーニンから、ペテルブルグに帰るため馬車を止めるよう言われる。[4-17]
カレーニンの家の玄関番。
カピトーヌイチと呼ばれていた。[4-17]
背が高く歳をとっている。
セリョージャからもカピトーヌイチと呼ばれている。
娘はバレエの踊り子。[5-26]
セリョージャの世話をするイギリス婦人。
赤ちゃんがむずがるのは乳母が良くない、とカレーニンに進言した。[4-19]
セリョージャのきちょうめんな家庭教師。
セリョージャから勲章について質問される。
アレクサンドル・ネフスキー勲章の上は、ウラジミール勲章で、その上はアンドレイ・ペルヴォズヴァンヌイ勲章で、その上は知らないと答えた。[5-26]
アンナが出て行った後に雇われたので、アンナのことを知らない。[5-30]
ポクローフスコエ村の人々
リョーヴィンが好んで話をする家畜番で、素朴な百姓。[2-12]
商人。
「積極的かつ決定的に」という言葉をよく使う。[2-14]
露: положительно и окончательно.
英: positively and conclusively.
オブロンスキーからエルグショーヴォ村の森を38,000ルーブルで買う。[2-16]
この森はポクローフスコエ村から50キロ離れたところにある。[3-7]
片目のはれた老人。
リョーヴィンが何を聞いても「神さまのおぼしめし」でいい具合になると答える。[3-2]
ハムを盗んだ罪で裁判にかけられた爺さん。[3-3]
百姓の爺さん。
恐ろしく長い白のシャツを着ている。[3-4]
リョーヴィンの元御者の若者。[3-4]
小がらで痩せた百姓。
草刈りではリョーヴィンの先生格にあたる。[3-4]
草刈りの名手で、浅黒い顔をした大男。[3-5]
話好きで、品のいい顔立ちの老人。[3-11]
器量の良い女房と結婚して丸2年の若者。[3-11]
素朴な百姓の家畜番。
リョーヴィンによる新しい農場経営の組合組織において、家畜場を引き受けることになった。[3-29]
頭のいい大工。
リョーヴィンによる新しい農場経営の組合組織において、8年間も閑田となっていた遠方の土地を引き受ける。[3-29]
リョーヴィンによる新しい農場経営の組合組織において、菜園全部を引き受ける。[3-29]
リョーヴィンの思索の中に登場する人物。月一割の利息を高利貸しに払っている。[8-10]
遠い村からリョーヴィンのところにきた運び人夫。
フョードルはリョーヴィンに、プラトンは魂のために生きている、正直に神さまの掟どおりに生きている、と語る。[8-11]
リョーヴィンは、フョードルとの何気ないやりとりの結果、善は原因結果の連鎖を超越したものとの理解に至る。
フョードルの村の金持ちで善良な百姓。
フョードルはプラトンのことをフォカーヌイチじいさんと呼ぶ。[8-11]
屋敷番。
フョードルはキリーロフのことを軽蔑してミチュハーと呼び、自腹を肥やすために生きているという。[8-11]
アンナ・カレーニナを読む方の一助になれば幸いです。
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